積雪や強風が発生してもカーポートは安全なのか?

この記事の監修者

佐伯 明彦 (株式会社ソラ SOLA)

所有資格外壁診断士

外壁施工において構造性能や耐火耐久性能など外壁塗装をお考えの方に対して アドバイスをおこなっております。


家を建てる際に、車を所有している人はカーポートの設置を考えると思います。
カーポートを設置するにあたって、いくつかの悩みを耳にしました。

「たくさん雪が降る地域なんだけど、積雪でカーポートが倒壊しないか」
「強風でカーポートの屋根が吹き飛んでしまうことはないか」

このような悩みを抱えている人が、実際にいらっしゃいます。
もしも選んだカーポートが、実は耐雪性能が十分ではなかったなんてことになったら嫌ですもんね。

カーポートは、あまり知られていないかもしれませんが、実はいろいろと種類があるんです。
柱と屋根だけで組み立てられていて簡易的に見えるカーポートだとしても、耐雪や耐風性能を備えたクオリティの高いものもあります。

今回は、そんなカーポートについて詳しく説明していきたいと思います。

積雪地域でのカーポートの雪対策と注意点

雪が多く降る地域では、毎年のように大雪被害が出ています。
そんな地域で車を守るために設置したカーポートが雪で倒壊してしまったら、大変なことです。

ということで、ここからは雪が多く降る地域で、カーポートを選ぶ際の注意点などを紹介していきます。

耐雪性能があるカーポート3選

耐雪性能があるカーポートを強度別に大きく分けると3種類になります。
それぞれの特徴を見ていきましょう。

1.一般地域用のカーポート
雪の降る量が少なくて、長期間降り続くことが滅多にない地域には「一般地域用」のカーポートで対応できます。一般地域用といいましても、降雪20cm程度までは耐えられます。

2.積雪地域用のカーポート
北関東や東北南部など、やや雪の降る量が多いといわれている地域は「積雪地域用」のカーポートが向いています。耐雪強度は30cm~程度といわれています。

3.豪雪地域用のカーポート
北海道や東北などの長い間多くの雪が降り続ける地域には、「豪雪地域用」のカーポートをおすすめします。耐雪強度は100cm~程度と最も高い強度を誇るカーポートになります。

地域による雪の質に注意、耐荷重をじっくり検討しよう

雪と一口にいっても、地域によって質が異なります。
寒さの厳しい地域ほど、雪が溶けずに降ってくるのでサラサラとして手触りで軽いです。

太平洋側や一部北陸などでは、夜間や山間は雪が多いのですが、日中や街中では気温が上がるため寒暖差が生じて湿り気のある雪が多くなります。

湿り気のない軽い雪と湿り気のある雪では、同じ積雪量だとしても湿り気のある雪のほうが重くなります。
寒冷地のサラサラした軽い雪は、風の影響を受けやすいため積もりにくく、積もったとしても水分が少なく軽いため、簡単に崩れていきます。

反対に、湿り気の多い雪は重いうえに積もりやすいため、耐荷重の半分以下の積雪量だと思っても、重量オーバーになってしまう可能性も十分考えられます。

最近、異常気象が多いため、普段雪があまり降らない地域でも急に大雪が降ることもありえます。
そのため、住んでいる地域の特徴を踏まえて耐荷重など考えながら、しっかりと車を守ってくれるカーポートを選びましょう。

雪が降る前にしておきたい対策3つ

気象情報で大雪の天気予報がでた場合、「うちはカーポートがあるから大丈夫」とたかをくくっていませんか?

先述したように、最近は異常気象による想定外の積雪なんてことも十分に考えられます。

カーポートが古く経年劣化が起きている場合、強度が弱まっている可能性があります。
ネジや接続部分などのゆるみやサビ、屋根部分のひび割れにも注意が必要です。

雪の多い地域では11月中頃から、関東以南でも12月にはカーポートの積雪強度を確認することをおすすめします。

確認した結果、カーポートの積雪強度が十分でないとわかったら、できるだけ早めに補強しておきましょう。

補強が完了したら雪下ろしの準備をしておきましょう。
今の時代、大雪による積雪のため会社を休みますってことが簡単にできませんよね。

女性や子供でも雪下ろしがしやすくなる道具もありますので、そういったものを使用してこまめに雪下ろしをしておくことで、被害を避けることができるようになります。

カーポートの強風・台風対策は?耐風強度の確認をしておこう

カーポートを吹き飛ばしてしまうかもしれない強風が吹くこともあります。
では、強風が発生しやすい台風がよく通る地域では、どのように車とカーポートを守っているのでしょうか。

カーポートの屋根は吹き飛ぶ

台風が通過したあとに、屋根がなくなっているカーポートを見たことがありませんか?
なぜなら、カーポートの屋根は、一定以上の強風で吹き飛ぶように作られていることがあるのです。

風力は、あまり体感しにくいものなのでわからない人が多いかもしれませんが、考えられている以上に強力です。
もの凄く強い風だと、屋根ではなく柱ごと吹き飛ばしてしまうこともあります。

昔から使われてる塩ビ製やポリカ―ボネードなど樹脂製の屋根が使われているカーポートは、金属製の屋根に比べると強風に弱く、吹き飛びやすいのです。
さらに樹脂製の屋根は紫外線に弱いため経年劣化の進みがはやいため、劣化があると簡単に外れて吹き飛んでしまいます。

もしも屋根だけが外れて飛んでいってしまったとしても、屋根の部分をつけ直せば修理完了です。
修理するまでに屋根がなくなっている状態が続いてしまいますし、外れた屋根が車に接触して車を傷つけてしまう可能性があるのですが、カーポートそのものが破損して車に大きな損傷を与えたりするより、メリットがあるといえると思います。

耐風強度を確認しよう

台風による突風、強風などでカーポートを破損させてしまわないように「耐風圧強度」を確認しておきましょう。
耐風圧強度とは、カーポートが耐えることができる、最大平均風速のことです。
平均風速は、10分間の計測での風の強さの平均です。

一方、天気予報などでよく耳にする最大瞬間風速は、3秒間のあいだに吹いた風の強さです
こちらは、台風などに関係なく突発的に吹く強い風の場合もあります。

ここで風速の目安として、風速20mを超えてくると体格のしっかりした成人でも、何かにつかまっていないと立っていられないほどです。
根の張っていない樹木が倒れたり看板が吹き飛ばされてくることもありえます。

そのため、カーポートの耐風圧強度は、30m/s以上が理想です。

台風時にできる対策

台風が接近してくることがわかったときにできるカーポートの台風対策として、屋根材を抑えるオプション工事や強度を高くするサポート柱がある場合があります。

反対に屋根をおさえてしまうことで、強風にあおられてカーポート本体が倒壊してしまうおそれがあります。
そのため、対策で迷いがでたら業者に相談してみることをおすすめします。

カーポートの耐用年数と保証

カーポートの耐用年数は約10~15年

カーポートによく使われる素材から耐用年数を考えると、耐用年数10年以上のアルミと耐用年数10~15年程度のガルバリウム鋼板があります。

そうなると、カーポートそのものの耐用年数は約10~15年ということになります。
素材の耐用年数を過ぎると、本来の強度を維持できなくなります。
そのため台風や積雪で破損をしてしまう可能性が高くなります。

カーポートの保証はあるのか?

カーポートの保証は、基本的に商品と工事にわかれています。
製品としてのメーカー保証と、設置する工事会社の保証の2種類です。

メーカーの保証期間は、大体1~2年程度のものがほとんどで、保守内容としては、自然故障、自然破損のみの場合が多いです。
しかも、これは製品の初期不良または品質不良に対するものという意味合いが強く、設置後に発生した自然災害による破損は含まれていません。

工事会社の保証も免責事項が設定されていることがあるので、内容をしっかりと確認しておきましょう。
メーカー保証も工事会社の保証も、見積もりをとる段階で確認しておくことをおすすめします。

まとめ:カーポートを長く使用したいなら信用できる業者に依頼しよう

基本的な構造が屋根と柱というカーポート。
シンプルな構造だからといって、どこに工事を依頼しても一緒ならば安いほうがいいと考えがちです。

しかも、素人には出来上がったときの見た目がキレイだと、実は失敗している箇所があったとしても見分けることが難しいです。
そして、その状態で台風や大雪に見舞われると、まだまだキレイなのに壊れたなんてことになってしまうのです。

カーポートが破損してしまっただけならば、まだマシです。
車や人にまで被害が及ぶおそれも十分に考えられるため、シンプルな構造であるカーポートこそ腕のよい信用できる業者に依頼することをおすすめします。

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