みなさんは、塗装職人が取得できる「一級塗装技能士」という仕事をご存知ですか?
最近、「一級塗装技能士ってどんな資格ですか?」という質問をいただく機会が増えています。
ということで今回は、一級塗装技能士は、どのような資格なのか?
持っているとどんなメリットがあるのか?
など、さまざまな観点から説明していきたいと思います。
職人さんで、今後、この資格に挑戦してみようと考えている方、塗装工事の場でもっと活躍していきたいと考えている方、これから塗装職人になろうと考えている方などに、役に立つ情報だと思います。
ぜひ最後まで読んで、少しでも参考にしていただければ幸いです。
それでは、いっしょに見ていきましょう。
目次
一級塗装技能士ってどんな資格?
塗装技能士は国家資格の一つで、各都道府県の職業能力開発協会が実施する塗装技能検定の合格者に付与されます。
塗装技能士は、上から一級、二級、三級と3つにランク分けされており、中でも一級塗装技能士は合格率が約5割とされる最も難易度の高い資格です。
受験資格も厳格で、実務経験が7年以上、または二級合格後から2年以上、三級合格後から4年以上の実務経験がなくては受検できません。
ただし、この実務経験は学歴によって必要な年数が変わるので、注意しましょう。
例えば大学卒の場合は、実務経験が4年以上と定められています。
詳しくは、厚生労働省のホームページに記載されていますので、受験を考えている方は確認しておきましょう。
試験内容は学科と実技の両方
一級塗装技能士になるためには、「学科試験」と「実技試験」の両方に合格しなければなりません。
試験日程は、前期と後期の2回で、1年のうちにどちらか1回しか受けることができません。
学科試験と実技試験は別の日に実施されるので、確認しておきましょう。
学科試験は、試験時間が1時間40分で、問題数が全50問です。
試験内容は、科目が「塗装一般」「材料」「色彩」「関係法規」「安全衛生」「建設塗装法」の6つに分かれています。
解答方式は、真偽法(○×問題)と四肢択一法(四択問題)になります。
100点満点中、65点以上で合格とされています。
実技試験は、科目が「木工塗装作業」「建築塗装作業」「金属塗装作業」「鋼橋塗装作業」「噴霧塗装作業」の5つに分かれています。
この5つの中から、自身で選んだ1つを受験する形になります。
実技試験の内容は、「刷毛塗り」「けがき線(基準をつくるため材料に傷をつけて線を引く)」「調色」「パテ」「スプレー塗装」「玉吹き」「ヘッドカット」といった作業をします。
実技試験の試験時間は5時間あり、ラインに沿うように美しく塗れているかを審査するだけでなく、どんな刷毛でどう塗るか、最後の片づけまでも審査基準になります。
実技試験は、100点満点中、60点以上で合格とされています。
一級塗装技能士の受験料は?
一級塗装技能士の受験料は、「学科試験3,100円」「実技試験17,900円」で二級も同じになります。
受験料は、変更になる場合がありますので、公式ホームページで確認するようにしてください。
若年層にチャンス
平成29年度の後期試験から、若い方が挑戦しやすくなるよう、35歳以下は、実技試験の受験料が最大で9,000円の減額されるようになりました。
この制度がいつまで継続されるかわかりませんが、若い塗装職人のみなさんは資格取得のチャンスです。
一級塗装技能士の資格を有するメリット
一級塗装技能士の資格を持つ最大のメリットは、技術力の高さの証明です。
塗装技能技士の資格を持っていなくても、塗装の仕事はできます。
しかし、一級塗装技能士の資格が、高い技術力と知識力を持っていることの印となり、職場とお客様へ安心感を与えられます。
これは、仕事上でかなり有利にはたらく場合が多くなります。
とくに新規のお客様の不安を取り除いてくれる効果があるので、資格を持っていることを伝えると仕事を任せてくれる可能性が高くなります。
また、資格を取得することで、給与アップにつながる可能性も上がるだけでなく、転職を考える際にも、有利になるケースが多いです。
まとめ:合格のために押さえておく2つのポイント
一級塗装技能士は、合格率が約5割で受験者の約半分が落ちてしまいます。
やや低めの合格率ですが、それは事前に試験対策をしっかりとおこなっていないことが原因である場合が多いです。
ひとつは、各地の塗装業者関連団体が開いている講習会に参加することです。
とくに実技試験で当日に役立つことや現場の雰囲気などを知ることができます。
例えば、トイレや休憩のために作業スペースを離れる際は、必ず片づけてから離れないといけないルールや、試験で支給される塗料は、再支給されないため無駄づかいをしないことなど、実践的な対策を教わることができます。
そして、もうひとつは、当然のことかもしれませんが、普段の仕事から真剣に取り組むということです。
現場で学べることだけでの合格は難しいかもしれませんが、とくに実技試験は職人としての技術や経験が試されます。
そのため、普段から実力を最大限発揮するよう仕事に取り組むことが合格への近道になります。
今年、受験を考えている方に、この記事が少しでも参考になれば幸いです。
みなさんの合格を願っております。
頑張ってください。
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