おもな瓦屋根3種の特徴やメリット・デメリットを知っておこう!

この記事の監修者

佐伯 明彦 (株式会社ソラ SOLA)

所有資格外壁診断士

外壁施工において構造性能や耐火耐久性能など外壁塗装をお考えの方に対して アドバイスをおこなっております。


瓦屋根は私たち日本人にはなじみ深いものです。

一般的に、和風の家は瓦屋根ですが、近年では、洋風の家にも採用されているところを当たり前のように見かけます。

この記事では、私たちの生活に密接に関わる瓦屋根の種類や特徴、メリット・デメリットなどについてまとめていきます。

これから家を購入しようと検討していて、瓦屋根が気になっている方は、参考にしていただけると思います。

瓦屋根は、どんなもの?

瓦屋根は、瓦を屋根材として使用している屋根のことをいいます。
瓦は、おもに粘土を焼いて作られますが、中には粘土以外を原料としたものもあります。

大きく和瓦と洋瓦の2つに分かれる

瓦は大きく和瓦と洋瓦の2種類に分けることができます。
それぞれの特徴を見ていきましょう。

和瓦は古い日本家屋などで見られる瓦といえば、わかりやすいでしょうか。
波打った形をしており、釉薬(ゆうやく、うわぐすり)という薬品をかけ、という焼きあがることで、水の浸透性を防ぐ、つやが出る、という効果がある薬品を使った釉薬瓦(陶器瓦)や、反対に釉薬を使わない無釉瓦などがあります。

洋瓦は、文字通り海外で使用されていた瓦で、基本的に無釉薬で素焼きされた瓦です。
日本でも、洋風の建物に使われています。

おもな瓦3種とその特徴

瓦は、和瓦と洋瓦から、さらに分けることができ、少し先述した釉薬瓦と無釉瓦を含んだ3種類に分けることができます。

それぞれの瓦の特徴を詳しく説明していきますので、チェックしてください。

釉薬瓦(陶器瓦)

瓦を釉薬という水の浸透を防ぎ、つやを出す薬品でコーティングして焼いた瓦になります。
釉薬を塗った効果により、耐久性が優れている特徴があり、さらに釉薬によってさまざまな色を出すことが可能です。

無釉瓦(いぶし瓦、素焼瓦)

無釉瓦は、上記の釉薬瓦と反対で、釉薬を塗らずにそのまま素焼きした瓦になります。
無釉瓦は、さらに種類をわけることができ、代表的なものに、いぶし瓦や素焼瓦といわれるものがあります。

いぶし瓦は、その名で予想がついている方もいらっしゃるかと思います。
瓦を焼く際に、燻す、蒸し焼きにします。
それにより、耐久性を高めています。

渋い銀色で経年によってムラが発生してくるのですが、それが味になる特徴があります。
基本的に、日本家屋に使用されています。

素焼瓦は、粘土を素焼きしてつくる瓦で、使う土の色合いが瓦そのものの色になることが特徴です。

基本的に、洋風家屋に使われることが多いです。

セメント瓦

セメント瓦は、セメントを主原料としたものを型に入れてつくる人工的な瓦になります。
コストが低いので、大量生産できる特徴があるのですが、割れやすく見た目が今風じゃない印象があるため、現在はあまり使われていません。

瓦屋根を採用するメリット5つ

ここからは住まいの屋根を瓦屋根にするメリットを紹介していきます。

1.耐久性が優れている

瓦屋根は、瓦そのものが耐久性に優れており、メンテナンスがほぼ必要ないことが最大のメリットです。

2.部分的に葺き替えができる

瓦屋根は、もしも瓦が1枚破損したとしても、その破損した瓦だけ取り換えるだけで補修が完了するため、手間もコストも抑えることができるメリットがあります。

3.断熱性が優れている

瓦屋根は、瓦の形状から空気層が多くなるため、ほかの屋根材と比べて断熱性が優れています。

4.さらに遮音性も優れている

上記にある空気層が多いということが、遮音性が優れていることにもつながり、雨音なども響きにくいです。

5.瓦屋根独特のデザイン性

瓦屋根は、独特な雰囲気があり趣を感じられます。
この瓦独特のデザイン性が好きで瓦屋根を採用する方も多いです。

瓦屋根を採用した場合のデメリット3つ

瓦屋根は、上記のようにメリットがたくさんなのですが、残念ながらデメリットもあります。
おもなデメリットが3つありますので、いっしょに見ていきましょう。

1.重さゆえ耐震性が低い

瓦は、ほかの屋根材に比べると1枚1枚がとても重いです。
そのため、柱や梁などへの負担が大きく、地震が発生すると損傷を起こしやすいことから、耐震性が低いといわれています。

屋根を支える構造を強度の高いものにする対策法もあるので、覚えておいてください。

また、最近の瓦屋根は昔のものに比べるとずいぶん軽くなっているみたいです。

2.台風時などの飛来、落下に注意

大きな地震や台風に襲われて、瓦が飛んだり落ちたりしている映像を見たことがある方も多いと思います。

それらは、ほとんど20年以上前の古い瓦屋根の場合が多いので、古い瓦屋根の家に住んでいる方は注意してください。

現在は、防災瓦というものが一般的になっており、瓦同士の連結が強固なものになっているので、飛んだり落ちたりすることが少なくなっています。

3.カバー工法に向いていない

既存の屋根の上から新しい屋根を被せるリフォーム方法であるカバー工法というものがあります。

しかし、このカバー工法が瓦屋根には向いていません。
なぜなら、瓦屋根はリフォームの際、既存の瓦を再利用するからです。

ほかにも、波打った形状のため、その上から新しい屋根を被せることが難しく、被せるには1度すべての瓦屋根を外さなければならないので、手間とコストがかかってしまいます。

瓦屋根はメンテナンスすべき?

瓦屋根は、高い耐久性が特徴であり、メンテナンスもほぼ不要なのですが、放置のままでいいわけではありません。

定期点検や下地のメンテナンスは必要です。

瓦屋根のメンテナンスは下地補修がメイン

瓦屋根は、瓦そのものの耐久性が優れているので、破損していなければ継続して使えます。
ただし、瓦を下地に固定する部分が劣化しているおそれがあるので、その部分の定期的な点検と劣化していた場合の補修は必要になります。

劣化している部分の瓦をいったん取り外してから補修をして、瓦をまた取り付けるという方法です。

この下地部分の点検は、10年に1度くらいの頻度でおこなうことをおすすめします。

瓦屋根が向いているケース

瓦屋根が向いているケースを紹介していきますので、見ていきましょう。

メンテナンス費用をできる限り抑えたい

屋根は、常に紫外線や風雨などという外的要因に晒され続けている部分なので、建物の中では劣化が激しい部分です。

そのため、メンテナンスが必須なのですが、瓦屋根は耐久性がとても高く、メンテナンス頻度が非常に少ないので、メンテナンス費用を抑えることができます。

和風または洋風に適合する瓦屋根のデザイン性が好き

瓦屋根の持つ独特の雰囲気は、和風、洋風どちらの建物にも合うので、瓦屋根のデザイン性が好きな方にはぴったりだと思います。

まとめ

瓦屋根についてまとめさせていただきました。
この記事で紹介したメリットやデメリットを踏まえて、大切な住まいに見事にマッチする屋根材だと判断できたのなら、採用してみてはいかがでしょうか。

あなたの大切な住まいがよりよいものになることを願っております。

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