今回は、屋根リフォームをする際の主流な工事のひとつである、カバー工法について詳しく説明していきたいと思います。
カバー工法は、既存の屋根材の上から新しい屋根を重ねる工法なのですが、そのメリットやデメリットなどをチェックしていきましょう。
もうひとつの主流な屋根リフォーム工事である葺き替えとの違いなども説明していきたいと思います。
屋根をリフォームしようと検討中の方は、参考になることが見つかると思いますので、ぜひ最後までチェックしてみてくださいね。
ご自宅の屋根は、どのような工法がベストなのか把握しておくことができると、安心して工事を依頼できることでしょう。
それでは、いっしょに見ていきましょう。
目次
屋根のカバー工法(重ね葺き)とは?
屋根のカバー工法とは、先述したとおり、既存の屋根の上に防水シートと新しい屋根材をかぶせる施工方法で、重ね葺きといわれることもあります。
屋根のリフォームには、既存の屋根を撤去して新しい屋根に張り替える葺き替え工事もあるのですが、手間で費用がかかります。
さらに、葺き替えでは2004年以前に製造されたスレート屋根の場合、人体に悪影響を及ぼすアスベストが含まれている可能性があるため、処分費が高くなってしまうことがあります。
しかし、解体作業が必要ないカバー工法は、葺き替えと比べると手間もかからず費用も抑えることができます。
スレート屋根にガルバリウムなどを施工するのが一般的
カバー工法は、基本的に「スレート」や「軽量金属屋根」などのような平板の屋根材の上からならば、施工可能です。
とくにスレート屋根にガルバリウム鋼板を重ねるのが、支持されています。
新しく重ねる屋根材には、軽量な物を採用するのが基本になります。
カバー工法の費用相場と平米単価を知ろう
屋根のカバー工法にかかる費用は、1㎡あたり8,000~10,000円くらいが相場とされています。(さらに足場代が別途15万円くらい必要になります。)
屋根の大きさや形状、状態によって異なるのですが、60~250万円の幅で考えておくとよいでしょう。
屋根の形により費用が変わる
カバー工法の費用は、新しく重ねる屋根材・建材のグレードや、足場の有無もさることながら、屋根面の数によっても大きく変わります。
例えば、屋根の面が2つである「切妻(きりづま)屋根」の場合は、安く工事できる傾向にあります。
反対に「寄棟(よせむね)屋根」など面が多い屋根の場合は、形状が複雑なので比較的高額になってしまうことが多いです。
総額がいくらになってしまうかの不安や、予算がある程度決まっている場合は、業者に相談してみてくださいね。
カバー工法のDIYはやめよう
ある程度コストがかかりそう、コストをとにかく抑えたいと考えて、カバー工法をDIYでと思う方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、カバー工法のDIYはおすすめできません。
なぜなら、カバー工法は施工がとても難しいからです。
カバー工法に限った話ではないですが、プロではない方が屋根に上がり作業をすることは、非常に危険です。
それがたとえ1階の屋根であっても、転落して打ちどころが悪いと命を落としてしまうおそれがあります。
悲しい事故を起こさないためにも、しっかりとプロである業者に依頼するようにしましょう。
カバー工法のメリットを知ろう
ここからはカバー工法のメリットを紹介していきます。
①屋根の性能の向上
カバー工法は、既存の屋根と新しい屋根の二重構造になるため、断熱性・遮音性・防水性が上がります。
②リフォーム費用が安い
カバー工法は、もともとあった屋根の上に新しい屋根材を重ねる工事なので、古い屋根材を撤去する費用が発生しません。
そのため、葺き替え工事に比べて、全体的な費用が安いのです。
③工期が短い
葺き替えの場合、古い屋根を取り外す際に養生をする必要があります。
その作業をカバー工法では、省略することができます。
そのため、カバー工法は約5~14日で工事が完了するとされています。
葺き替え工事の場合は、7~30日程度とかなりの差が生じます。
④騒音やホコリのトラブルが少ない
葺き替え工事の場合、騒音やホコリが多く発生することで、ご近所とのトラブルになってしまうことがあります。
しかし、カバー工法であれば、工事中の騒音やホコリの発生が少なく、工期も短いため、ご近所とのトラブルになる可能性が少ないです。
⑤アスベストにも対応できる
先述したとおり2004年以前のスレート屋根には、アスベストが含まれています。
癌の原因になりやすいということから、現在は製造・販売・使用は中止になっていますが、アスベストが含まれている建物は残っています。
2004年以前の建物を葺き替え工事する場合、このアスベストを処分する費用がかかるため高額になります。
さらに、解体時にアスベストが飛散しないように、対策をしなくてはならない手間もかかります。
カバー工法なら、このようなリスクがありません。
カバー工法のデメリットを知ろう
ここからは逆にカバー工法のデメリットを紹介していきます。
①修繕費に火災保険を利用したい場合は不向き
強風や雪などの自然現象によって雨漏りが発生していたり、破損した場合、火災保険を利用して屋根を修繕したいと考える方も多いと思います。
しかし、カバー工法では、申請できない可能性が高いのです。
火災保険の対象となるのは、雪や強風などの被害に遭わなかった場合の状態に戻すための工事です。
とくに雨漏りしている場合は、下地が劣化している可能性が高いので、カバー工法よりも葺き替えが適しています。
②耐震性に影響する可能性がある
カバー工法は、屋根全体の重さが増えてしまうことが多いです。
そのため、耐震性能が少し低下する可能性があります。
大多数の住宅は問題ないとされていますが、不安な方は業者に相談してみましょう。
③屋根瓦には、ほぼ対応できない
カバー工法は、既存の屋根の上に、フラットな金属屋根材を固定する工法のため、波状の屋根や、厚みのある屋根材の上には、固定することが難しいです。
そのため、日本瓦の屋根はカバー工法には向きません。
波状のトタン屋根も同様で、カバー工法をすることは不可能ではないのですが、思い切って葺き替え工事をすることをおすすめします。
④内部の補修が必要な屋根には施工できない
屋根の下地や内部が劣化している場合、その上から新しい屋根をかぶせるだけでは危険で、内部の補修をしなければなりません。
また、雨水を吸収して腐食していく可能性があり、そうなると新しい屋根材を固定する釘をうつことができず、葺き替え工事になるケースもあります。
カバー工法よりも葺き替えが適しているケース
ここまでの説明を踏まえて、カバー工法に向かないケースを改めて紹介していきます。
5つあるので、把握しておいてくださいね。
1. 日本瓦(陶器やセメント)など重さや波がある屋根で、新しい屋根材を固定するのが困難な場合
2. 腐食などで下地が劣化している場合や、雨漏りが発生している場合
3. リフォームにかけられる予算と時間に余裕がある場合
4. 修繕費用に火災保険を活用しない場合
5. 長時間にわたる耐久性を求める場合
上記のような場合は、葺き替え工事にしたほうがよい場合が多いです。
カバー工法の耐用年数とは
カバー工法をした屋根の耐用年数は、約20~25年といわれています。
メンテナンス頻度については、葺き替えをした屋根とほぼ同じで、10年に1回程度でよいです。
ただし、1度カバー工法をおこなった屋根をさらにカバー工法をして3重以上にすることはあまりないため、次は葺き替え工事をする可能性を考慮しておきましょう。
カバー工法で確認申請は必要か?
リフォームの際の確認申請が必要かどうかは、まず建物の種類によって違ってきます。
具体的には、木造3階建てや鉄筋2階建てのお住まいで屋根の大規模な修繕・模様替えをする際は、確認申請が必要になります。
カバー工法が大規模修繕扱いになるかどうかは、行政(自治体)によって基準が異なるため、確認してみましょう。
まとめ
今回は、カバー工法について説明しましたが、いかがでしたでしょうか。
メリットもデメリットもあり、そもそもカバー工法が適さないケースもあるので、しっかりと把握しておくと安心です。
工事を検討している際に、不安や疑問がある場合は、依頼する業者に相談してみるようにしてくださいね。
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