面積効果って何?

この記事の監修者

佐伯 明彦 (株式会社ソラ SOLA)

所有資格外壁診断士

外壁施工において構造性能や耐火耐久性能など外壁塗装をお考えの方に対して アドバイスをおこなっております。


外壁塗装をする際には、どんな色にするか塗料の色選びを行う必要があります。
この色選びですが、外壁塗装においては意外と考えるポイントがたくさんあります。
そのひとつに面積効果が挙げられます。

 面積効果を簡単に説明すると、同じ色でも面積の大きさによって色が明るく見えたり、暗く見えたりする現象のことです。
 過去に外壁塗装を行った方の中には「色の見本帳と違う仕上がり具合になった」「イメージ通りの色ではない」という経験をされた方もいると思います。
 このように、実際に希望した色とは違うように感じるのは、面積効果が大きく影響しています。

 外壁塗装業者が提供する色の見本帳やカラーパレットの面積は、外壁とは比較にならないほど小さいです。
 したがって面積の大きな外壁に塗装を施すと、どうしてもイメージした色とは異なるように見えてしまうのです。

 外壁塗装の費用は決して安価なものではない上に、一般的に外壁塗装の塗替えサイクルは約10年といわれています。
 つまり外壁塗装の色選びで失敗してしまうと、長期に渡って我慢しなければならない可能性が出てきます。

 中には色選びの失敗で業者とトラブルになってしまった方もいるほどです。そのため外壁塗装を業者に依頼する前に、ご自身でも色の面積効果などについてある程度の知識を蓄えておくのをおすすめします。

面積効果による色の見え方の違い

 では実際にどのような色の変化が起きるのか。ここでは面積効果による色の見え方の違いを解説します。

・明るい色
明るい色は小さな面積よりも大きな面積のほうが、より明るく、そして鮮やかな見た目になります。

・暗い色
逆に黒やグレーといった暗めの色は、大きな面積になるほど暗く低明度な印象を与えます。
つまり暗い色は明るい色とは正反対の性質を持っているということです。

・明るい色=面積が大きくなるほど明るく見える
・暗い色=面積が大きくなるほど暗く見える

 外壁塗装で色を選ぶ際はこの基本的なことを頭に入れておくだけで、大きな失敗を防げる可能性が高くなります。

面積効果を考慮した色選びのポイント

 面積効果を考慮した上での色選びのポイントは複数あります。

1.ワントーン暗め・明るめの色を選択する

 前述のように外壁塗装で色を選ぶ際は、業者が用意してくれた色見本帳を参考にするのが一般的です。
 しかし外壁の面積は色見本帳の数千倍にもなるため、色見本帳で自身の希望している色を選択しても、実際に塗装をするとイメージ通りに仕上がらない可能性が高くなります。

 そこで推奨したいのが色見本帳よりもワントーン明るめ、もしくは暗めの色を選択することです。具体的には明るい色を選択する場合はワントーン暗めの色を、反対に暗めの色を選ぶ際はワントーン明るめの色を選ぶようにします。

 明るめの色は面積が大きくなればなるほど明るく見えるようになります。したがって実際に塗装を施すと「イメージよりも派手な色になった」という印象を抱く可能性もあります。
そのため、明るめの色を選択するときは、ワントーン暗めの色で依頼するようにしましょう。

 暗めの色も同様に、色見本帳で自身の希望するカラーで塗装をしてしまうと、予想以上にダークな仕上がりになる可能性が高くなります。用意してもらった色見本帳よりもワントーン明るめの色で依頼するようにしましょう。

2.A4サイズの色見本で確認する

 外壁塗装業者が提供する色見本帳は「1㎝×4㎝」「2.5㎝×7㎝」「3㎝×7㎝」など非常に小さなサイズです。 これでは実際に外壁塗装を施した際に、イメージと食い違いが出てくるのはある意味当然といえます。

 その対策として実践しておきたいのが、業者にサイズの大きな色見本帳を用意してもらうことです。外壁塗装の色選びでよく推奨されているのが「21㎝×29.7㎝」のA4サイズの色見本帳です。

 A4サイズの色見本帳は、外壁塗装業者にお願いすると塗料メーカーで用意してくれます(業者によっては有料負担になる場合あり)。ただし、A4サイズになったからといってまったく同じ色合いに見えることはないので、十分に注意が必要です。

 しかし、メーカーで用意してくれるA4サイズの色見本帳は実際に外壁にあてて確認することもできるので、比較的イメージが湧きやすくなります。色見本帳の作成には約1週間~10日ほどかかりますので、外壁塗装を検討している方は早めに申し込んでおくようにしましょう。

3.実際の建物を見て確認する

 おおよその色が決まったら、色見本帳とは別に実際の建物を見て確認してみましょう。
自身のイメージに近い建物をいくつかピックアップし、それを色見本帳と照らし合わせる方法がよいでしょう。

 この際、独断してしまうとイメージ通りの色合いにならない可能性が高くなります。
したがって色選びに慣れた業者担当者に「これらの建物に近い色はどれですか?」と質問しておくことを推奨します。

 ちなみに外壁塗装業者によっては、実際に塗装を担当した現場に案内してくれることもあります。もちろん個人情報保護の観点から、実際の現場は案内できないと断られることもあります。そのような場合はビフォーアフターの写真などを見せてもらうのもよいでしょう。

外壁塗装の色選び〜錯視の種類・タイプ〜

 私たち人間に錯視を覚えさせるのは面積効果だけではありません。ここでは錯視の主な種類、タイプをご紹介します。

・明度対比
 明度対比とは隣接する色によって、同じ色でも明るく見えたり、暗く見えたりする現象のことを指します。
 近年は1階と2階を違う色で塗り分けるツートンカラー(2色配列)にする例も増加傾向にあります。
 外壁塗装でツートンカラーを希望する場合などには、特に明度対比のことを意識しておくようにしましょう。

 片方が落ち着いた色で、隣り合う部分に明るめの色を希望する場合はワントーン暗めの色を選ぶのがポイントです。反対に片方が落ち着いた色で、隣り合う部分に暗めの色を希望するならワントーン明るめの色を選ぶようにしましょう。

・色相対比
 1つの色が背景の色に影響を受け、本来の色とは違ったように見えることを色相対比といいます。この場合、元になる色は背景色の心理補色が現れることになります。
心理補色とはある色をじっと見つめた後に、別のところを見ると一瞬残像として見える色のことを指しています。
 外壁材を積み重ねたり、張り合わせたりするときの繋ぎ目部分(目地)の色選定において考慮する必要があるポイントといえるでしょう。

・彩度対比
 彩度とは色の鮮やかさの度合いを指しています。そして彩度の異なる色が影響しあうことで、色の鮮やかさが変わって見える現象が彩度対比と呼ばれるものです。
 背景よりも彩度が高い色を選ぶと鮮やかな色合いを演出することが可能になります。
色の彩度にこだわりたい方は背景や近隣の建物の彩度をチェックしてみるのもよいでしょう。

・光源色
 光源色とは、太陽などの光源そのものが発している光のことです。外壁はこの光源色によっても見え方が大きく変わってきます。
 具体的には日の出のすぐ前、日の入りのすぐ後の空が薄明るい時間帯と、1日のうちで最も明るくなる時間帯ともいわれている正午、の3回です。
 この明るさが異なる時間帯で外壁をチェックしてみるとその違いがはっきりとわかると思います。薄明るい時間帯に外壁を見るとイメージと異なった色に見えますが、明るい時間帯にチェックするとイメージ通りの仕上がりになっていると驚く方も多いです。
 また外壁は太陽の光や時間帯だけではなく、天気や季節によっても見え方が異なるのが特徴です。そのため、色見本帳をチェックするときも外壁と同じ場所で確認するのが好ましいでしょう。

まとめ

面積の大小や光の加減など、色の見え方はさまざまな条件に左右されます。小さな色見本を室内で見ただけで外壁や屋根の色を決めると、塗装が終わってから、「思い描いていた仕上がりと違った」と後悔しかねません。
外壁・屋根塗装の色選びは、面積効果や彩度対比など色の見え方の性質を考慮することが重要です。

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