屋根の種類がこんなにも!各種メリット・デメリット徹底解説!

この記事の監修者

佐伯 明彦 (株式会社ソラ SOLA)

所有資格外壁診断士

外壁施工において構造性能や耐火耐久性能など外壁塗装をお考えの方に対して アドバイスをおこなっております。


みなさんは、大切な自宅の屋根がどんな種類なのか把握していますか?
どんな家にも屋根がついていますが、それがどういった種類でどういった機能を持っているのか、把握している方は少ないのではないでしょうか。

屋根とひとくちにいっても、本当に多くの種類があります。
ですが、それを全部知っておかなくても問題はありません。

しかし、いつか屋根のリフォームを検討するときのために、自宅の屋根がどういったものなのか、把握しておいてもいいかもしれませんね。

ということで、今回は屋根の種類とそれぞれのメリット・デメリットなどについて説明していきたいと思います。

お役に立つ日がくると思いますので、ぜひ最後までお付き合いください。

代表的な屋根は10種類

はじめに、各屋根の名称と特徴を簡単に紹介します。

種類の名前 主な特徴
切妻屋根(きりづま)屋根 ・トラブルが起きにくい
・メンテナンスが簡単
片流れ屋根(かたながれ) ・形がシンプルで工事が簡単
・デザイン性に優れている
寄棟(よせむね)屋根 ・耐久性が高く、台風などに強い
・雨漏りが起こりやすい
方形(ほうぎょう)屋根 ・台風や風に強く、頑丈
・ソーラーパネル設置には向いていない
入母屋(いりもや)屋根 ・屋根裏の断熱性や通気性が優れている
・形状が複雑なので工事費用が高い
はかま腰屋根 ・室内空間の自由度が高い
・棟の形が複雑で、雨漏りしやすい
差し掛け屋根・招き屋根 ・強風、突風など風に強い
・工事費が安い
越(こし)屋根 ・風通しが良い
・トラブルの原因判明まで時間と費用がかかる
陸屋根
フラットルーフ式無落雪屋根 ・人が歩ける
・落雪対策をあまりしなくていい
バタフライ屋根
スノーダクト式無落雪屋根 ・外観が個性的
・スノーダクト設置で融雪・排水ができる

いかがでしょうか。一口に屋根と言ってもいろいろな形や特徴があります。ここからは、屋根の種類によりメリット・デメリットなどをさらに詳しく説明していきます。

切妻(きりづま)屋根

切妻屋根は、日本でいちばん馴染みのある一般的な屋根です。

屋根の頂上にある棟から2つの傾斜が伸びており、本を伏せたような形といえばイメージしやすいのではないでしょうか。

メリット:工事が簡単にできる

切妻屋根は、工事が簡単にでき、トラブルが発生しにくいメリットがあります。

そのため、メンテナンスの頻度が低く、費用を抑えることができます。
新築時も同様なので、予算を抑えたい方におすすめです。

デメリット:壁などの屋根以外の部分が劣化しやすい

切妻屋根は、家の壁など屋根以外の部分が劣化しやすいデメリットがあります。

棟に対して垂直に接している壁は屋根の軒がない部分になるので、日差しや雨など外的要因が壁に当たりやすいため、壁の劣化が進みやすくなります。

そのため、外壁塗装など定期的なメンテナンスが欠かせません。

片流れ(かたながれ)屋根

片流れ屋根は、その名の通り片方にだけ流れる屋根ということで、切妻屋根の半分だけといったような形で、日本ではあまり馴染みがありません。
カッターナイフの先端のような形といえば、イメージしやすいかもしれません。

デザイン性に優れており、片流れ屋根にすることで、シュッとした鋭い形になり、スマートな印象を与えます。

洋風な建物に向いているため、片流れ屋根を採用すると目立つかもしれませんね。

メリット:工事が簡単で大雨に強い

片流れ屋根は、工事が簡単なうえに防水については欠点がなく、大雨にも強いです。

屋根裏の空間を確保しやすいので、室内を広くとることができます。

さらに、屋根を南向きにして、ソーラーパネルを設置した場合、発電効果が上昇します。

デメリット:傾斜の上側の壁が劣化しやすい

片流れ屋根は、屋根の傾斜の上側の壁に日差しや風雨が当たりやすく、劣化が進みやすいというデメリットがあります。

そのため、定期的にメンテナンスが必要になります。

あと、雨が多く降るエリアにお住まいの方には、向いていないかもしれません。
なぜなら、屋根が一方にしか傾いていないため、流れ落ちる雨の量が増え、流れが速くなり、雨樋への負担が大きくなってしまうからです。

特に大雨後には、念入りに点検をしなければなりません。

寄棟(よせむね)屋根

寄棟屋根は、4つの屋根面で形成されており、近年住宅に採用される事例が増えてきています。

頂上には、地面と水平となる大棟という部分があります。

メリット:耐風性が高い形状

寄棟屋根は、4方向に傾斜があり、さらに大棟が風を受けにくいので、耐風性が高いというメリットがあります。

そのため、台風が通過しやすいエリアにお住まいの方に、おすすめです。

また、落ち着きのある印象を与えることができるので、あまり目立たずに、品のある家になります。

デメリット:雨漏りが起こりやすい

大棟と2つの傾斜が接触するY字のところに雨水がたまりやすいので、雨漏りが起こりやすいというデメリットがあります。

しかし、メンテナンスにより防ぐことができるので、忘れないように注意してください。

方形(ほうぎょう)屋根

方形屋根は、屋根の頂上に大棟がありません。
頂点から4方向に傾斜が伸びているのは、先ほどの寄棟屋根と同じなのですが、大棟がないので四角すいの形をしています。

ピラミッドを思い浮かべてもらえるとわかりやすいと思います。

メリット:風雨に強い

4方向に傾斜がある形状なので、風雨に強いメリットがあります。

ピラミッド型が美しいデザインと評価されているため、家に美しさを求める方にはおすすめです。

デメリット:家全体の構造が限られる

屋根がピラミッド型のために、家の構造が正方形に近いものに限られてしまうことがデメリットです。

また、方形屋根は、通気性が低く、熱・湿気がたまりやすいため、カビや腐食に注意しなければなりません。

入母屋(いりもや)屋根

入母屋屋根は、田舎の家に多く、切妻屋根と寄棟屋根を合わせたような形です。
屋根上部に切妻屋根、下部に寄棟屋根のようになっています。

日本の伝統的な屋根なのですが、年々減少傾向にあり、見る機会が少なくなってきています。

メリット:屋根裏の断熱性、通気性が高い

入母屋屋根は、屋根裏の断熱性、通気性に優れており、さらには、雨水が雨樋から溢れるリスクが少ないメリットがあります。

日本の伝統的屋根なので、和風の建物に合います。

デメリット:工事費用が高い

入母屋屋根は、工事費用が高いというデメリットがあります。
なぜなら、屋根の接合部分が多いからです。

メンテナンス頻度も費用も高く、工期も長くなる可能性があるので、予算や時間に限りがある方には向いていないかもしれません。

はかま腰屋根

はかま屋根は、切妻屋根の棟の両端部分を斜めに切り取って少し寄棟の屋根面をつけたような形です。

半切妻屋根、ドイツ屋根という別名も持っています。

寄棟のような部分があることでスタイリッシュになっています。
日本ではあまりお目にかかれない屋根なので、採用すると注目を集めるかもしれませんね。

メリット:室内空間の自由度が高い

はかま腰屋根は、道路斜線制限や日影規制といって法的に建物の高さに制限を受ける家に設置されることが多いといわれています。

室内空間の自由度を高めるメリットがあります。
室内空間にこだわりがある方とは相性抜群の屋根であり、リフォームのときでも室内面積を変更せずに屋根を変えられます。

デメリット:棟の形が複雑で雨漏りしやすい

はかま腰屋根は、形状が複雑なことで雨漏りしやすいデメリットがあります。

そのため、異変には注意して、何かすこしでも違和感をおぼえたら業者に依頼して調べてもらいましょう。

差し掛け屋根・招き屋根

差し掛け屋根は、切妻屋根を半分にして上下に分けたような形の屋根です。

そして、招き屋根は、差し掛け屋根の1種で上下にずらした2つの屋根の長さが異なる形の屋根です。

どちらも日本で見かけることは少なく、海外の家で見られることが多いです。

メリット:風に強く壁部分に採光窓を設置できる

形状から強風に強く、上下にずらした屋根と屋根のあいだの壁に採光窓を設置できるので、家の中を明るくできるメリットがあります。

他にも、断熱性、通気性に優れており、施工費用も安いなど、たくさんのメリットがある屋根です。

デメリット:メンテナンスを怠ると雨漏りが発生しやすい

差し掛け屋根・招き屋根は、定期的にしっかりとメンテナンスをおこなわないと雨漏りが発生しやすいデメリットがあります。

越(こし)屋根

越屋根は、屋根の上に小さな屋根をのせた形になっています。窓を設置することで光や風を取り入れやすくしています。

メリット:湿気や熱気を逃がしやすい

越屋根は、高いところに窓が設置できることから、湿気や熱気を逃がしやすく、風通しがよくなるメリットがあります。

屋根に設置する窓の位置により採光が失敗する場合もあるので、しっかりと考えましょう。

デメリット:雨漏り発生の原因がわかりにくい

越屋根は、複雑な構造なので、雨漏りが起こっても原因がわかりにくいというデメリットがあります。

そのため、原因が判明するのに時間がかかり、費用もかさんでしまいます。

バタフライ屋根

バタフライ屋根は、蝶々が羽を広げたみたいな形をしています。

V字型の角度がとても浅い形状といえば、イメージしやすいかもしれません。

メリット:個性的

バタフライ屋根は、とにかく個性的です。

滅多にお目にかかれない屋根なので、周囲と違いかなり目立ちます。
誰とも被りたくないと考えている人には、ぴったりの屋根だと思います。

デメリット:雨漏り発生の危険性が高い

バタフライ屋根は、谷間部分に雨や雪がたまりやすいデメリットがあります。
これにより、雨漏り発生のリスクが高く、雪が積もると重みで樋などにもダメージを与えてしまうので、豪雪地域には不向きです。

スノーダクトを設置すると、融雪、排水が可能になるので、対策として覚えておきましょう。

まとめ

おもな屋根10種の特徴、メリット・デメリットを説明させていただきました。
それぞれしっかりと把握して、理想の屋根を設置した素晴らしい家にしてください。

あなたが理想の家で快適な暮らしを送れることを願っています。

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