外壁塗装でのピンホールって?原因と対策は?

この記事の監修者

佐伯 明彦 (株式会社ソラ SOLA)

所有資格外壁診断士

外壁施工において構造性能や耐火耐久性能など外壁塗装をお考えの方に対して アドバイスをおこなっております。


ピンホールって言葉を聞いたことがありますでしょうか?

一般的には、あまり耳にしたことがない方の方が多いと思います。
では、ピンホールとは一体何なのでしょうか?

ピンホールとは、外壁塗装においてはあまり耳にしたくない言葉のひとつです。
外壁塗装をしたあとに、塗膜の表面に発生してしまう直径1mm~3mmほどの小さな穴です。

この小さな穴「ピンホール」は、施工業者が正しい手順で塗装をしなかったときや、手抜き工事を行ったときに発生する可能性があります。

では、ピンホールができてしまったとき、どうすればいいのでしょうか?

この記事では、ピンホールが発生してしまったことによるトラブルの対応などについて詳しく説明していきます。

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ピンホールとはどのようなものなのか

ピンホールとは、文字通り針穴のような小さな穴が塗膜にできてしまう現象です。

外壁塗装後に発生するトラブルで、比較的発生件数が多い現象のひとつです。

ピンホールによって起こるトラブル

ピンホールは、一見小さな穴なので大したことがないように思えるのですが、放置しておくと塗膜面の裏側に雨水などの水分が浸入するようになります。

そうなると塗膜の剥がれを発生させてしまう可能性があり、外壁が丈夫な塗膜で守られません。

ピンホールに気づかずに漏水を放置し続けると、外壁自体を傷つけることになります。

そうして外壁材の寿命が訪れると、次は家の内部が腐ってきて最悪の場合、大がかりな工事が必要になるかもしれません。

mm単位の小さな穴ですが、侮ってはいけません。
わずかな塗装面の劣化から、信じられないような事態になってしまうかもしれないので、それは避けるようにしたいですね。

劣化だけでなく見た目の美しさも損なってしまうので、ピンホールを発見したら早急に補修するようにしてください。

・ピンホールの補修でDIYはやめておきましょう

ピンホールはとても小さな穴なので、「これくらい自分で補修できる」と思ってしまいがちなのですが、塗装の知識がない状態でのDIYは余計に悪い状態へと悪化させてしまう原因になりかねません。

最悪、ピンホール発生時よりひどい状態になってしまい、それを施主の過失と捉えられて保証の対象外になってしまう可能性もあるので、DIYはなるべくやめておきましょう。

もしもピンホールを発見したらすぐに業者に依頼

塗装後にピンホールが発生してしまったときは、早急に塗装をした施工業者に連絡をし、対応してもらいましょう。

契約内容にもよるのですが、業者の施工ミスが発生原因なのであれば、無償で補修工事をしてもらうことができます。

ピンホールの小さければ、ペーパーなどで表面を研磨して再塗装するだけという比較的簡単な作業で対応できます。

しかし、穴が大きく広い範囲で発生している場合は、かなり大がかりな作業が必要になってきます。

・アフターケアを断られたら悪徳業者

ピンホールが発生して施工業者に連絡した際に「このような劣化は保証対象外」と対応を断られてしまったら悪徳業者と判断してもいいと思います。

そのような業者に依頼してしまわないためにも、契約時にアフターケアについてしっかりと確認しておきましょう。

確認時にはっきりとした回答が得られないのならば、その業者に依頼するのはやめておきましょう。

もちろん、優良業者と契約していれば保証の内容を業者からしっかりと説明してくれます。
さらに保証書もきちんと発行してくれます。

そもそも優良業者の場合、しっかりと工事内容のチェックをしながらきちんと施工をしてくれるのでピンホール現象が起こるということがほとんどないです。

ピンホールも含めて施工後のトラブルを避けるためにも、信頼できる経験豊富な塗装業者を選ぶよう慎重になってください。

ピンホールの発生原因

塗装面に発生するピンホールの主な原因は、下地処理段階や塗装作業時などのときに、業者側の不手際や経験不足だと言われています。

施工環境が良くない

外壁塗装は、現場の環境に大きく左右される工事です。
ピンホールも塗装環境が悪いときに発生することがほとんどです。

・気温に気にせずに塗装を行った
塗料は、基本的に水やシンナーなどの希釈液で薄めて使用します。

塗装後にその水やシンナーが蒸発して外壁に密着し表面で膜を形成します。

ですが、気温が高すぎると塗料に含まれているシンナーや水の蒸発が早くなってしまい、それが原因でピンホールが発生してしまう可能性があります。

もしくは、適切な希釈材ではなかったことによりピンホールが発生してしますこともあります。

・塗膜面にゴミがついてしまった
塗料や塗膜面に、油や水分、ゴミなどの異物が付着混入してしまうとピンホールが発生する原因になってしまいます。

塗装前の下地処理を怠った

外壁塗装では、塗装する前に塗料が下地に密着しやすい状態にしておく工程があります。

下地処理と呼ばれ、外壁塗装ではかなり重要な工程のひとつです。

・不十分な下地処理

作業前に、塗装面の傷や異物を除去する下地処理をしないと「巣穴」といわれる空気がたまりやすい穴ができます。

その巣穴の上から塗装をしてしまうと、塗料が乾燥したあと巣穴の空気が抜けてピンホールとなってしまいます。

・不十分な高圧洗浄

塗装前に外壁や屋根は、汚れや付着物を取り除くために高圧洗浄機で表面の掃除をします。

この高圧洗浄が隅々までできていなかったり、水圧が弱かったりすると異物が残ったり、空気が溜まりやすくなりピンホールが発生してしまいます。

塗料の使用方法が間違っている

基本的にすべての塗料には、メーカーが定めた使用条件があります。

使用条件を守らなければ、ピンホールなどの不具合がどんな高性能な塗料でも発生してしまいます。

・使用方法や道具選びを間違えた

塗料は、希釈液で薄めて使用するので、希釈率が規定と違うと粘度が高くなってしまうことがあり、そのままローラーや刷毛に付けると、道具の毛や糸くずが引っ張られて塗膜に空気が混入してしまいます。

そして気泡がつぶれてピンホールになってしまいます。

・不十分な乾燥時間

塗料は通常、下塗り・中塗り・上塗りの3度塗りを行います。

はじめの下塗りでは、下塗り用の塗料を使用し、中塗りと上塗りでは、仕上げ用の上塗り塗料を塗ります。

ここで、前段階で塗装した塗膜層が完全に乾燥していない段階で、次の層を塗ってしまうと、内部の層が完全に乾燥できずに表面だけが乾燥してしまい、内部の溶剤が遅れて抜けてしまいピンホールとなってしまいます。

・厚塗りしすぎた塗料

一度に大量に塗料を塗ると、厚くなり過ぎた箇所の内部がきちんと乾燥しきれず、重ね塗りのときと同様に乾燥不良によってピンホールを引き起こしてしまいます。

・エアスプレーの圧力不足

塗料は、刷毛やローラー以外にスプレーガンでの吹付け作業が行われることがあります。

スプレーの圧力が足らないことで塗料の粒子が荒くなり、塗膜面にピンホールが発生することがあります。

吹付け仕上げ時のモルタル壁には要注意

外壁材の主流となりつつあるサイディングボード。

それ以前では、外壁の仕上げ材と言えばモルタル壁でした。

モルタルとは、セメントと砂に水を混ぜ合わせて作る建築資材で、コンクリートと同じと思われがちですが、違う建築資材です。

モルタル仕上げの外壁は「塗り壁」と言われていて、職人の手作業で表面を仕上げます。

ですので、既製品のサイディングボードに比べるとデザインが豊富で装飾性にも優れています

モルタル壁は、表面の凹凸でざらざらとして手触りが特徴ですが、このざらざらの部分に汚れが溜まりやすいので、高圧洗浄や下地処理を念入りに行わなければなりません。

下塗りをおこなうときに使用する下地材選びにも、モルタル壁では重要です。

モルタル壁は、適切な下地処理が行わなければピンホールが発生し、耐用年数を落としてしまう可能性がでてきます。

ピンホール発生を防止するには

気にも留めないような小さな穴から重大な劣化になってしまうピンホール。

このピンホールを防ぐためには、どうすればいいのでしょうか?
これから紹介するポイントを注意してくれる業者を探すべきなので、一緒に見ていきましょう。

塗料の乾燥時間を正しく守る

塗膜の表面だけが乾き、内部がしっかりときちんと乾燥していない状態を「乾燥不良」と言います。

正しい希釈材や量を選択し、塗装時にしっかりと一層ずつ時間をかけてしっかりと乾燥させるよう正しく施工すれば、乾燥不良になることはありません。

もしも、施工業者から「時間短縮できる塗料を使用している」や「早く作業を終えることができる」ということを言ってきたとしたら要注意です。

通常、完全に乾燥させる場合は最低でも1日は間隔を開けなければなりないものです。

これはどの塗料でもほぼ同様のルールなので、覚えておいてください。

なので、塗装において時間の短縮が可能なんてことはありえないのです。

早く施工を終わらせようとする業者は、経費削減や施工件数をとりあえず稼ぎたいという手抜き業者である可能性が高いです。

このような業者のほとんどがアフターフォローを不十分なところばかりなので、依頼は避けるようにしましょう。

塗料をよくかき混ぜる

外壁塗装用の塗料は通常、撹拌機で数分間混ぜて使用できる状態になるのですが、この撹拌が不十分だと缶の底に塗料が沈殿してしまい、質の悪い状態になってしまいます。

塗料は、いくつかの成分が混ざって形成されているのですが、成分の重さが全然違う塗料もあるので、手で混ぜていてはいつまでたっても使用できる状態にはなりません。

撹拌が不安なときは1液型塗料を使用してください。

主材と硬化剤に分かれていない1液型は、開封後すぐに使用できる状態なので、撹拌作業が必要ありません。

しかし、1液型は撹拌のいる2液型と比較すると耐久性が低いものが多いです。
家の箇所によっては、2液型ではないと塗装できない場合もありますので、使い分けるようにしてください。

どのような塗料も丁寧にしっかりと用途にあった塗装をしてくれる優良業者に依頼することが第一ですね。

まとめ:優良な業者を探して依頼することがベスト

ピンホールは、小さな穴なので大したことはないと放置してしまいがちです。

後々、重大な劣化に繋がってしまいますので発見したら早急対応しましょう。

自らの手でどうにかしようとせずに、しっかりとアフターフォローもしてくれる経験豊富で腕のいい塗装業者に依頼することが一番です。

高圧洗浄、下地処理、3度塗りときちんとひとつひとつの工程を丁寧に行ってもらえばピンホールの発生は確実に防ぐことができます。

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