ALCパネルという外壁材とは?メリット・デメリットを知ろう!

この記事の監修者

佐伯 明彦 (株式会社ソラ SOLA)

所有資格外壁診断士

外壁施工において構造性能や耐火耐久性能など外壁塗装をお考えの方に対して アドバイスをおこなっております。


「外壁で使うALCパネルって聞いたことがあるけどなに?」
「ALCパネルって具体的になにがいいの?悪いところは?」

こういう疑問の声を耳にすることがあります。

この記事では、外壁材ALCパネルについて詳しく説明していきたいと思います。
ALCパネルについての情報を把握しておくことで、自宅に適しているかどうか判断することができ、工事での失敗などを避けることができるようになります。

ぜひ最後までお付き合いください。

ALCパネルとは?

ALCパネルとは、建築材のひとつであり珪石やセメント、生石灰、アルミ粉末が原料の「軽量気泡コンクリート建材」のことであり、建築材としてさまざまな用途に使われます。

耐火性があるパネル素材では、もっとも普及しており、JIS規格に適合した製品なので品質と寸法が高い精度で保証されています。

ALCパネルの種類

ALCパネルには大きく分けて3つの種類があります。

・形状による違い
・厚さによる違い
・表面加工による違い

ここからそれぞれを具体的に紹介していきます。

「形状による違い」
外壁のALCパネルは、形状よって2種類に分かれます。

➀一般パネル→建物の平面部に使用される平らな形状
②コーナーパネル→建物の角に使用される細長いL字型の形状

上記にあるように、一般パネルは外壁の面部分に使い、コーナーパネルは外壁の角部分で使う素材です。
どちらも形状が違うだけで、素材や模様に違いはありません。

「厚さによる違い」
外壁のALCパネルは、厚さによっても2種類に分けられます。

・厚さ75mm以上のパネル→厚型パネル
・厚さ35mm以上75mm未満のパネル→薄型パネル

主に使用される建物が違い、厚型パネルは鉄骨や鉄筋コンクリートなどの強固な建物、薄型パネルは、木造や鉄骨の建物などの耐久性が比較的低い建物に使用されます。

「表面加工による違い」
外壁のALCパネルは、表面の加工方法でも2種類に分けられます。

・平パネル→特にデザイン性がない平らなALCパネル
・意匠パネル→模様がデザインされている意匠性の高いALCパネル

デザイン性を重視する場合、意匠パネルを使用します。

ALCパネルのサイズを知ろう

一般的な平パネルは、幅が300mm~600mmで長さは600mm以上が多いといわれています。

しかし、ALCパネルのサイズは製品によって異なることがあるため、詳しくは業者に確認することをおすすめします。

ALCパネルのサイズによって、外壁での目地の多さが変わってきます。
目地が多くなればなるほどシーリング材の工程が増えるため、工事費が高くなってしまいます。

さらに、目地が多いとデザイン性も低下しやすいのです。

ALCパネルの費用相場

外壁で使用するALCパネルの費用相場は、1㎡あたり5,500~7,200円程度といわれています。

これは、業者の経費を含んでいないものなので、実際はもう少し高くなります。

一般的な30坪程度の住宅の外壁にALCパネルを使用する場合、150~250万円程度の工事費がかかるとされています。

ALCパネルの耐用年数は長い

外壁で使うALCパネルの耐用年数は、正しいメンテナンスをおこなうことで60年以上になるといわれています。

耐用年数とは、ALCパネルの交換が必要になるまでの期間のことです。
60年以上と聞くと放置したままで60年も持つと思ってしまいがちですが、パネルの表面は劣化していくので10~15年に1度くらいの頻度で定期的にメンテナンスをするようにしてください。

この定期的なメンテナンスを怠ると耐用年数が下がり60年を経過するまでもなく交換しなければいけない事態になってしまいます。

ALCパネルのメリットとデメリット

ALCパネルのメリットとは

ALCパネルのメリットは、4つあります。

1.耐久性が高い
2.耐火性が高い
3.防音性が高い
4.熱に強い

ここからはこれら4つを詳しく見ていきましょう。

耐久性が高い

ALCパネルの耐久性が高い理由は、補強材として防錆性能を持った鉄筋やスチールの金網が内包されているからです。

耐火性が高い

ALCパネルはコンクリートなので、火事でも燃えず、有毒なガスや煙が発生しません。

防音性が高い

ALCパネルの防音性の高さの理由は、コンクリートに気泡を含ませた素材で、空気の層があるため音を通しにくくなるからです。

熱に強い

これも内部に含まれている気泡のおかげで、コンクリートの10倍もの断熱性を発揮するといわれています。

断熱性が高いために、温度調節がしやすく節電にもつながり、結露などの防止にもなります。

ALCパネルのデメリットとは

ALCパネルのデメリットは2つあるといわれています。

1.高すぎる吸水性
2.接合部が多い

となっています。
これらの詳細をここから見ていきましょう。

高すぎる吸水性

ALCパネルは、内部に気泡が多いため水を吸い込みやすい性質なのです。
これにより、下地に水が直接ふれてしまうと劣化が急に促進します。

劣化を抑えるためには、塗装が必要になります。
塗装する塗料によって違ってきますが、塗料の耐用年数を目安に定期的にメンテナンスをして保護をすることをおすすめします。

接合部が多い

ALCパネルのサイズのところで少し先述したのですが、1枚のサイズが小さいために接合部が多くなってしまいます。

接合部が増えるとデザイン性が落ちるだけでなく、手間も増えて費用も高くなってしまいます。

外壁のALCパネルのメンテナンス方法は

外壁のALCパネルのメンテナンス方法は、3つあります。

1.シーリング補修
2.塗装
3.パネルの張り替え

どのような状態になるとこれらのメンテナンスが必要になるのかなど、詳しく説明していきます。

シーリング補修

目地部分のシーリングが痩せてきたり、ひび割れたり剥がれてきたりした場合はメンテナンスをおすすめします。
打ち替えという既存のシーリングを剥がして、新しいシーリングを補填する方法がおすすめです。

塗装

ALCパネルの塗装が剥がれてきたりひび割れてきた場合にすべきメンテナンスです。
業者に依頼するようにしてください。

パネルの張り替え

ALCパネルが割れたり剥がれてきた場合は、張り替えをおすすめします。
破損したパネルから新しいパネルに交換しましょう。

外壁でALCパネルを使用する際に注意すべきこと

1.塗装が剥がれないようにメンテナンスを怠らない
2.油性塗料を使用しない

の2つがALCパネルを使用するときに注意すべきことです。
これらの詳細を見ていきましょう。

塗装が剥がれないようにメンテナンスを怠らない

一般的に10~15年ごとに塗装が必要だといわれています。
塗装が剥がれてしまうと吸水性が高いALCパネルはすぐに劣化してしまいます。

油性塗料を使用しない

油性塗料は浸透性が低いので、ALCパネルの調湿性能という長所を潰してしまいます。

また、油性塗料は密閉性が高いことから結露が発生しやすいため、ALCパネルとは相性が悪いです。

まとめ:優れた外壁材だけれどメンテナンスを忘れずに

ALCパネルは外壁に使用した場合、60年以上の耐用年数があり非常に優れた建築材です。
しかし、塗装のメンテナンスは必要で怠ると耐久性の低下がどんどん進んでしまい、結果60年も耐用年数がもたなくなってしまうかもしれません。

あとデザイン性も高くはありません。

外壁として使用したい場合は、定期的なメンテナンスをしっかりとシミュレーションしてからALCパネルを採用するようしてください。

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