防水で雨風や雪からマイホームを守る!5種類の防水工事の特徴と耐用年数

この記事の監修者

佐伯 明彦 (株式会社ソラ SOLA)

所有資格外壁診断士

外壁施工において構造性能や耐火耐久性能など外壁塗装をお考えの方に対して アドバイスをおこなっております。


住宅が雨漏りすると修繕費用が高くつくので、家計には大ダメージです。雨漏りした箇所から住宅が傷んでしまうので放置してはいけません。

雨漏りをする前に防水工事を行っておくと、修繕費用を安く抑えられますし、住宅が長持ちします。防水工事は住宅を守るのに必須です。

防水工事にはいくつか種類がありますが、本記事では代表的な5種類の防水工事の特徴と耐用年数をご紹介します。雨漏りが発生してからでは遅いので、防水機能の低下がみられたら早めに防水工事をしておきましょう。

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防水工事の必要性

「どうして住宅に防水工事を施す必要があるのか」とじっくり考えたことはあるでしょうか?

文字通り、防水加工をするのが目的の工事ですが、そもそもなぜ防水が必要なのか、そこからお話したいと思います。

水というのは、住宅を劣化させる大きな原因となります。木造住宅はもちろんのこと、RC造やSRC造の住宅とて例外ではありません。

住宅の外側に防水加工を施していないと、住宅の部材に水がしみ込んで劣化が早まってしまいます。屋根材や壁材の表面に浸水するだけならまだしも、下地にまで水がしみ込むと住宅の耐久性が低下してしまいかねません。

住宅の耐久性が下がるということは、台風や地震といった災害で被害を受ける可能性が高くなります。壁の内部や柱が浸水によって腐食している状態を放置するのは、耐久性の観点から言うと非常に危険です。

防水工事は、水によるこのような住宅の劣化を防ぐために必要となります。水を住宅の表面で弾いておけば、住宅の内部まで浸水をせずに済み、住宅の耐久性を維持できます。

また、防水工事は修繕費用を抑えるためにも必要です。

住宅の内部まで浸水し、木材が腐食したり鉄骨が錆びたりすると、修繕費用がかなり高くなります。防水工事もそれなりに費用はかかりますが、壁材を剥がして鉄骨の錆をとったり下地まで交換したりするのと比べれば、家計への負担は少なくて済むでしょう。

このように、防水工事は住宅を水から守り、修繕費用を抑えるために定期的に施しておく必要があるのです。

5種類の防水工事の各特徴(工法、耐用年数など)

ウレタン防水

ウレタンの防水の耐用年数は約12年です。

ウレタンは接着力の高い樹脂で、下地の形状に合わせやすいという特徴を持っています。継ぎ目がなく塗布できるので、きれいに仕上がるのもウレタン防水の特徴です。

ウレタン防水は比較的に安価で施工できるということで、国内では主要な防水工事となっています。施工は短期間で終わるため、簡単かつ経済的に防水工事ができるとして人気です。

ウレタン防水は、屋上やベランダなど幅広い場所に防水工事を施工することができます。施工場所を問わない柔軟性の高い防水工事の手法です。

ウレタンは紫外線に弱いというデメリットがありますが、これはトップコートを施すことでカバーできます。
※トップコートは塗膜を保護するために塗装の表面に塗るコーティング材のことで、紫外線を防ぐ効果がある

ウレタン防水には、「密着工法」と「通気緩衡工法」の2種類があります。

「密着工法」は、ウレタン防水材を下地に直接塗り付けることで浸水を防ぐ工法です。工期が短く施工しやすいというメリットがある反面、通気性がないため、下地に水分が残っているとひび割れや膨れが発生しやすいというデメリットがあります。

「通気緩衡工法」は、通気緩衝シートの上からウレタン防水材を塗布する工法です。「密着工法」と比べて工賃が高くなりますが、通気緩衝シートにある溝から水分を排出できるため、下地に水分が残っていても施工ができます。

ゴムシート防水

ゴムシート防水の耐用年数は約13年です。

ゴムシート防水は、合成ゴムで作られた防水シートを下地に貼り付けていきます。シートは伸縮性があって施工しやすく、コストが安価ということで一昔前は主流の防水工事の手法でした。

しかし、接着面が剥がれやすい点、複雑な形状には向いていない点、職人の技術によって質に差が生じやすい点などがデメリットとしてあるため、今は主流ではなくなっています。

また、紫外線に弱いので劣化しやすく、衝撃にも弱いので耐久性は高くありません。

ゴムシート防水は、施工がしやすく低コストで施工可能なので、費用を抑えたい時に選択肢に入れたい防水工事の手法のひとつです。

塩ビシート防水

塩ビシート防水の耐用年数は約13年です。

塩ビシート防水の正式名称は「塩化ビニル樹脂系シート防水」で、塩化ビニール樹脂をベースにして作られた防水シートを接着材などで下地に貼り付けて施工します。シートを貼るだけなので短期間で施工でき、コストは比較的に安価です。

塩ビシート防水は、太陽光から照射される紫外線や熱、オゾンに対して高い耐久性を発揮します。摩擦や衝撃に強いため、劣化しにくいです。

塩ビシート防水は、結合部分が剥離しやすい点、焼却すると毒性を持つダイオキシンを発生する点がデメリットとして挙げられます。

FRP防水

FRP防水の耐用年数は約10年です。

FRP防水では、FRP(ガラス繊維強化プラスチック)と呼ばれるガラス繊維にポリエステル樹脂を加えて補強したプラスチックを応用し、被覆防水層を形成することで防水加工を施します。硬化が早いため工期が短く、継ぎ目がなく施工できるので高い防水性能を発揮するのが特徴です。

また、耐食性や耐候性にも優れており、傷ができても部分的に補修することもできます。軽量であるため住宅に負荷かかりにくいのも特徴です。木造住宅や古い住宅にも使えます。

FPSのデメリットは、紫外線に弱いので太陽光が照射される箇所はひび割れが起きやすい点です。耐用年数は約10年ですが、紫外線から保護するためにトップコートを5年に1度塗り替える必要があります。

アスファルト防水

アスファルト防水の耐用年数は約20年です。

アスファルト防水は、アスファルトに合成繊維不織布を加えて作ったシート状のルーフィング(屋根の防水シート)を貼り重ねて施工します。耐用年数が長く、ウレタン防水に次いで安価な工法です。

他の防水工事と比べて耐用年数が倍近くあるので、メンテナンスの回数を減らすことができます。アスファルト防水は耐久性が高い上に価格も抑えられるので、ぜひ候補として考えていただきたい種類です。

アスファルト防水は施工の際にニオイが発生するのがデメリットでしたが、最近はニオイをできるだけ抑えられるようになっています。施工時にどの程度のニオイが発生するのかを依頼する業者に確かめておきましょう。

アスファルト防水の工法は、「熱工法」「トーチ工法」などがあります。

「熱工法」は、アスファルトを220~270℃の高熱で溶融し、ルーフィングシートを交互に重ねて防水層を作っていく工法です。溶融したアスファルトは短時間で硬化するので工期が短くて済む一方で、溶融した時にニオイや煙を放つので近隣に迷惑をかけることがあります。

「トーチ工法」は、改質アスファルトシートの裏面にコーティングされているアスファルトをトーチバーナーで炙って溶かしながら貼り付ける工法です。熱工法よりも簡易な工具で施工ができるという利点がある一方、炙りが十分でないと施工の質が落ちてしまうという難しさがあります。

定期的な診断で防水工事の必要性を判断


防水工事は耐用年数が過ぎて劣化が進行する前に施す必要があります。

ただ、防水機能の劣化は見た目だけではわかりにくいです。明らかにひび割れや膨張などの不具合が起こっている箇所は防水工事が必要ですし、見た目に劣化がみられなくても防水機能が下がっている場合もあります。

塗料の塗膜を保護するトップコートにも耐用年数があるので、その塗り直しも必要です。トップコートが劣化すると塗膜が剥がれやすくなり、次は建材が劣化してしまいます。

ひび割れなどが起こっていないか目視で確認することも大切ですが、正確に判断するために、専門業者に定期的な診断を依頼することをおすすめします。素人目で判断するのではなく、プロに確かめてもらうようにしましょう。

劣化が進行して屋根材や壁材が傷むほど修繕費用が高くなるので、劣化がひどくなる前に防水加工をし直すのが理想です。

防水工事の耐用年数が10年以上であってもそれまでに劣化する可能性があるので、5年くらいのサイクルで診断を依頼されるのがよいかと思います。

防水工事で雨風や雪からマイホームを守ろう

マイホームを雨風や雪の被害から守るには、防水工事は欠かせません。なぜなら、防水は一番外側で住宅を守ってくれている部位で、屋根材や壁材も防水によって守られているのですから。

住宅の耐久性は、防水工事によって大きく変わります。防水工事次第でマイホームの寿命が長くなったり短くなったりすると言っても過言ではないでしょう。

防水機能が低下して屋根材や壁材に浸水する前に防水工事を施しておけば、住宅は長持ちします。定期的に費用はかかりますが、高額な修繕費用と比べると安く済むと考えてください。

防水工事にはそれだけの価値があります。

おわりに

防水工事は種類によって特徴や耐用年数が異なります。比較的に費用が安いウレタン防水やFPS防水が人気なので、この2つの特徴はしっかり抑えておいてください。

依頼する業者によって得意な防水工事の種類も異なるので、よく比較して選んでいただければと思います。

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