外壁塗装の塗り替えにケレン作業は必須!その役割と作業内容、レベルごとの費用負担の違いを解説

この記事の監修者

佐伯 明彦 (株式会社ソラ SOLA)

所有資格外壁診断士

外壁施工において構造性能や耐火耐久性能など外壁塗装をお考えの方に対して アドバイスをおこなっております。


外壁塗装の塗り替えには「ケレン作業」が必要です。これを聞いて「え?ケレン作業って何?」と感じた方が大半だと思います。

「ケレン作業」という言葉自体を知らなくても問題はありませんが、外壁塗装の塗り替えをする上で必要になるので、どういった作業を行うのかを知っておきましょう。

本記事では、外壁塗装の塗り替えにおけるケレン作業の役割と作業内容、レベルごとの費用負担に違いについて解説します。ケレン作業を行う意味を知っておくと、外壁塗装の塗り替えに対する理解がより深まるでしょう。

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ケレン作業とは? 外壁塗装の塗り替えとの関係

ケレン作業は外壁塗装の専門用語なので、聞いたことがないという方は多いかと思います。
ケレンというのは、外壁や屋根の金属や木に付いたサビや汚れを落とす作業のことです。

聞き慣れない言葉なのでどういった作業をするかわかりにくいかと思いますが、外壁塗装の塗り替えをする際にケレン作業は必要になります。

ではなぜ、外壁塗装の塗り替えでケレン作業を行うのでしょうか?

ケレンは、外壁塗料を定着しやすくするための作業です。外壁にサビや汚れが付着したままで塗料を塗布すると剥がれやすい状態になってしまい、せっかく塗り替えた塗料の保護効果が薄れてしまいます。

ケレン作業は、サビや汚れだけでなく、古い塗膜を落とすことも目的のひとつです。古い塗膜が残った状態で新しい塗装を塗っても密着性が低くてすぐ剥がれてしまうため、塗り替え前にしっかり落とさなければなりません。

ケレン作業をしなくても、塗り替えてしばらくは保護効果が維持されますが、風雨や紫外線などで塗膜が剥がれると外壁を保護する効果が下がり、そうなると次は外壁自体が傷んでしまいかねません。
外壁塗料を長持ちさせ、外壁をしっかり保護するには、塗り替え時のケレン作業は必須です。

極端な例を挙げると、本来なら10年持つ塗料が、ケレン作業を怠ったことで半分の5年しか持たなくなるかもしれません。そうなると費用も余計にかかってしまうので、もったいないですよね。

また、ケレン作業は外壁塗装の仕上がりを美しくする目的もあります。サビや汚れで表面が凸凹した状態で塗り替えをすると、塗料を平らに塗れません。
外壁塗装の仕上がりが悪いと、住宅の外観の美しさも損なわれてしまいます。

せっかく外壁塗装を塗り替えるのであれば、綺麗に仕上げてもらいたいですよね。ケレン作業は業者の対応の質が分かれる部分でもあるので、サビや汚れをしっかり落とした上で美しく仕上げてくれる、作業が丁寧な業者を選びましょう。

4種類のケレン作業

ケレン作業は、外壁の劣化状態によって必要な作業レベルが変わります。ケレン作業は、以下の4種類に分類されます。

【4種ケレン:費用目安 200〜400円(m2あたり)】

4種ケレンは、外壁の状態が最も良い時に行うケレン作業です。ほとんどサビや汚れがなく、紙ヤスリで磨いて綺麗にできるレベルなので、電動工具などは使いません。簡易的な作業で済むので、費用は4種の中で最も安いです。

【3種ケレン:費用目安 500〜1,200円(m2あたり)】

サビがある部分とない部分が混同している状態で、サビや汚れがある部分を手作業か電動工具を使って綺麗にしていきます。サビがない部分はそのままの状態にするので、外壁すべてをケレン作業するわけではありません。

3種ケレンの状態になってから塗り替えをされる方は多いので、外壁塗装の塗り替えをするなら3種の費用相場をチェックしておきましょう。

【2種ケレン:費用目安 1,400〜2,200円(m2あたり)】

サビや汚れの状態がひどく、サビがない部分も含めてすべてケレン作業で綺麗にしていきます。一般住宅のケレン作業では、最もコストと時間がかかるレベルです。

【1種ケレン】

「ブラスト工法」と呼ばれる大掛かりな手法を使ってサビや汚れを徹底的に落とします。「ブラスト工法」は騒音や粉塵が発生するため、一般住宅ではほとんど行われません。

外壁塗装の塗り替えのタイミングとケレン作業の関係

上記でご覧いただいたように、ケレン作業は外壁のサビや汚れの状態によって、作業の程度と費用が大きく変わります。できればケレン作業の費用を抑えるために、4種か3種の状態で塗り替えをしたいですよね。

しかし、外壁塗装の塗膜が剥がれた状態が長く続き、その上でサビや汚れを放置してしまうと、2種ケレンまでいってしまいます。そうなると4種ケレンの倍以上の費用がかかるので、負担がかなり大きくなるでしょう。

では、外壁塗装の塗り替えはどのタイミングを行うのがよいのでしょうか?

3〜4種ケレンの状態で塗り替えをするのが理想ですが、無理に予定のサイクルより早く塗り替えるのはもったいないですよね。かといって、3種ケレンになると費用が高くなってしまうので、タイミングに悩むところです。

外壁塗装の塗り替え時期を自己診断するのは難しいので、業者に点検を依頼されることをおすすめします。素人目にはまだ大丈夫なように見えても、塗膜の劣化が進行していて、塗り替えをする時期に差し掛かっているかもしれません。

4種ケレンなら費用負担が少なくて済むので、サビや汚れの状態がひどくなくても、外壁塗装が劣化しているなら塗り替えをしておいたほうがよいでしょう。
ただ、あまり劣化がみられない状態では塗り替えの必要性を感じられないので、判断に迷うところではあります。

外壁塗装の劣化の目安として、チョーキングやクラックといった症状がみられたら、塗り替えを検討したほうがよいでしょう
チョーキングは外壁を触ったときに白い粉が付く状態で、塗装の防水性が低下しているレベルですが、放置するとどんどん劣化が進み、クラック(ひび割れ)が起こるかもしれません。

クラックで外壁にひびが入ると、そこから雨水が染み込んで外壁の内部が傷んでしまいます。外壁塗装の塗り替えであれば費用負担は少なくて済みますが、外壁材の張り替えとなると費用が増えてしまうため、クラックの放置は禁物です。

チョーキング以外の劣化症状では、カビやコケ・藻の発生に注意しましょう。カビなどが発生しているということは、外壁塗装が劣化している明確なサインです。防水性能もかなり低下しているので、早めに外壁塗装の塗り替えを検討することをおすすめします。

これらの劣化症状はまだマシですが、剥がれまで起こるとかなり状態は悪いです。剥がれは外壁内部に雨水が染み込んで内部の鉄筋が膨張することで起こるので、外壁塗装の塗り替えだけではとても修復できません。

剥がれを放置すると、どんどん外壁内部が傷んで住宅の耐久性が低下してしまうため、安全のためにも早めに修繕しておきましょう。

外壁塗装は住宅を守る大事な役割を担っている

外壁は、風雨や紫外線から住宅を守ってくれています。外壁が劣化すると住宅の耐久性まで低下してしまうので、定期的なメンテナンスが必要です。

しかし、よく考えてみてください。外壁塗装は外壁よりも外側にあるので、風雨や紫外線から住宅を本当に守っているのは塗装であると言えます。

外壁に塗装を塗ることにより、塗膜という膜で撥水性が生じ、外壁に雨水が染み込むのを防いでいます。塗装が外気の水分を弾くことにより、外壁が長持ちするのです。

紫外線も外壁を傷める原因となるわけですが、それも外壁塗装によって守られています。紫外線から肌を守るために日焼け止めクリームを塗るように、外壁も守るための膜が必要になるわけですが、その役割を担っているのも外壁塗装です。

このように、外壁塗装はさまざまな外的要因から外壁を守ってくれています。外壁塗装は目に見えないですが、住宅にとっては必要不可欠な存在です。

外壁塗装は製品や環境によって耐久年数が変わりますが、上述したようにチョーキングなどの劣化症状がみられたら、塗り替えを検討するサインとなります。

外壁塗装を塗り替えるのであれば、遮熱や断熱性能を持つ塗料がおすすめです。壁内に断熱材を施工するとなると費用が高くつきますが、外壁塗料の塗り替えであれば費用を抑えられます。

「ガイナ」や「ヒートカット」といった断熱性能が備わっている外壁塗料を使うと、外壁を保護しながら住宅の断熱性を高められるので一石二鳥です。遮熱だと夏の熱気しか遮断できないので、冬の冷気も防ぐのであれば断熱性能を持つ塗料を選びましょう。

住宅の断熱性能が上がれば効率よく室温を維持できるようになるので、光熱費の節約につながります。特に冬は光熱費が高くなるので、断熱塗料による節約効果は大きいです。

本記事の本題はケレン作業についての解説ですが、効果的に外壁塗装の塗り替えをするために、外壁塗料や塗装に対する知識を持っておくことをおすすめします。

おわりに

外壁のサビや汚れの状態によってケレン作業の費用が変わるので、施工主にとって関係が深い作業です。ケレン作業という言葉を覚えなくても問題はないですが、外壁塗装を塗り替える際は、サビや汚れ、古い塗膜を落とす作業が必要であることだけは覚えておいてください。

外壁塗装は劣化が進んでから塗り替えると費用負担が増えるので、劣化が深刻化する前に塗り替えをしておきましょう。外壁塗装のどのていど劣化しているかわからない時は、外壁のプロに点検を依頼することをおすすめします。

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