外壁を壁面緑化・緑のカーテンにする前に!メリットとデメリットを知っておこう

この記事の監修者

佐伯 明彦 (株式会社ソラ SOLA)

所有資格外壁診断士

外壁施工において構造性能や耐火耐久性能など外壁塗装をお考えの方に対して アドバイスをおこなっております。


外壁を壁面緑化し、緑のカーテンを作りたいけれど、どのようなメリットとデメリットがあるのだろう? そう気になっている方は多いことでしょう。

緑のカーテンにはメリットとデメリットの両方がありますし、人によって向き不向きもあるので、始める前に知っておくことはとても大事です。

本記事では外壁を壁面緑化・緑のカーテンのメリットとデメリットを比較解説していますので、興味がある方はぜひ参考にしてください。

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壁面緑化・緑のカーテンとは?

壁面緑化は、ツル植物を壁面に設置したネット伝いに這わせ、住宅の外壁を覆うことです。
まるで外壁をカーテンのように覆うことから、「緑のカーテン」「グリーンカーテン」とも呼ばれています。

野球好きの方であれば、甲子園球場の外壁を思い出してみてください。あれは見事な壁面緑化ですよね。

実は、甲子園球場のシンボルであったツタはリニューアルに伴って刈り取られましたが、日本高野連の加盟高校に株分けし、各校で育ったツタを再び球場に植える「ツタの里帰り」が行われ、今も外壁沿いにツタが育って壁面緑化が進んでいます。

甲子園球場では外壁に直接ツルを這わせていますが、住宅の場合は植物で外壁が傷まないように、ネットなどを使って外壁から離して育てた方がよいでしょう。

壁面緑化・緑のカーテンのメリット

夏は日差しを遮って涼しくなる

緑のカーテンが最大のメリットを発揮するのが夏です。壁面緑化で外壁前に植物を這わせておくと、緑のカーテンが夏の強い日差しを遮ってくれるので、暑さがやわらぎます。

カーテンを閉めてしまうと光自体を遮断してしまうので部屋が暗くなりますが、緑のカーテンなら直射日光を遮りつつ、光も取り入れられるので、一石二鳥です。

また、植物の蒸散という働きによって、室温を下げる効果もあります。
蒸散は、植物の中にある水が水蒸気となって発散される現象です。

水が水蒸気になる時に周囲から熱を奪う作用があるため、緑のカーテンを設置した周辺は気温が下がり、室温が上がりにくくなります。
夏でも緑のある周辺が涼しく感じるのは、この蒸散という作用がひとつの理由です。

緑のカーテンを設置すると見た目にも涼しくなりますが、蒸散の働きによって実際に周囲の気温を下げる効果があるので、体感的にも涼しく感じます。

直射日光が入ってきて夏は暑くなる部屋の前に、緑のカーテンを設置すると暑さがやわらぐでしょう。

節電になる

緑のカーテンで夏の室温が上がりにくくなれば、節電効果が期待できます。緑のカーテンで日差しを遮ること、それはつまり遮熱です。

冷房は設定温度を下げるほど電力を消費するため、光熱費が高くなってしまいます。できるだけ夏の光熱費を抑えるには遮熱をするのが一番です。

遮熱は断熱材や遮熱塗料などで効果を得られますが、緑のカーテンでも同様の効果を得られます。
植物が遮熱材の代わりとなることで、室温の上昇を抑えることができ、それによって冷房の設定温度を高めに十分に涼しくなるので、夏の光熱費が抑えられる、というわけです。

ただし、緑のカーテンは設置した箇所のみ遮熱効果を発揮するので、住宅全体の遮熱性能を上げるのであれば、外壁や屋根に遮熱塗料を塗っておいた方がよいでしょう。
緑のカーテンと併用すればさらに遮熱効果が高まります。

遮熱塗料であれば断熱材を施工するよりも費用が安く、工期も短くて済むので、費用面でも時間の面でも負担が少ないです。

騒音を低減する

緑のカーテンには、騒音を低減する効果もあります。部屋の前を壁面緑化することで植物が防音材の役割を果たし、部屋に入ってくる騒音が低減できる、というわけです。

防音材と比べると効果はそれほど高くないため、副次的なメリットとして考えておいた方がよいでしょう。

リラックス効果が得られる

緑のカーテンで得られる効果は、室温を下げたり騒音を低減したりといった体感的なものだけではありません。植物の緑を目にすることによって、リラックス効果が得られます。

ガーデニングもそうですが、緑色の植物を目にすると心が落ち着きますよね。
特に緑のカーテンは広い面積で植物を育てるので、リラックス効果が高いです。

部屋の中からも緑を目にすることができるので、仕事などで疲れた時に緑のカーテンを見ると心が癒やされます。特にこまめにお手入れをして育てた緑のカーテンは愛着が湧くので、自然の緑とはまた違った良さを感じられることでしょう。

育てる楽しみを感じられる

緑のカーテンはお手入れが必要なので手間はかかりますが、植物を育てる楽しみを感じられます。花をつけるツル性植物であれば、毎年、緑のカーテンに花が咲くのが楽しみになるでしょう。

緑のカーテンはガーデニングの一種でもあるので、植物を育てるのが好きな方に向いています。始める前はガーデニングに興味がなくても、緑のカーテンをお手入れして育てているうちに愛着が湧き、ガーデニングが好きになるかもしれません。

鉢植えと違って、緑のカーテンは広い面積を使って育てるので存在感があります。家の一部にもなるので、そういった意味でも愛着を感じやすいことでしょう。

壁面緑化・緑のカーテンのデメリット

お手入れの手間がかかる

壁面緑化には植物を使うので、お手入れの手間がかかります。放置していても勝手に育っていきますが、育ちすぎると這って欲しくないところまでツルが伸びていってしまい、場所によっては取り払うのに苦労するでしょう。

お手入れを怠ると、壁面緑化のツルを放置すると外観の見栄えも悪くなってしまいます。お手入れをしていれば綺麗な緑にカーテンになって外観が良く見えますが、ツルが荒れ放題になると荒んだ見た目になってしまい、住宅のデザイン面ではマイナスになってしまうでしょう。

秋冬になると枯れ葉が増えてきますが、お手入れせずに放っておくと枯れ葉が庭やベランダなどに溜まってしまいます。枯れ葉がベランダに溜まると排水溝が詰まって床に水が溜まり、床を傷めて水漏れが起きかねません。

そうなると修繕費が発生してしまうので、枯れ葉はあらかじめ取り払っておき、ベランダなどに落ちた枯れ葉は溜まらないように掃除しておきましょう。

緑のカーテンを維持するには、水やりや剪定といったお手入れが必要なので、植物を育てるのが苦手という方には向きません。ガーデニングを趣味にしていたり、鉢植えで植物を育てたりしている方であれば、緑のカーテンのお手入れも楽しみながらできるのではないでしょうか。

日差しが入りにくくなる

夏は緑のカーテンが日光を遮ってくれるので涼しくなるというメリットがありますが、反対に、冬は日差しが入りにくくなるのがデメリットです。冬に枯れる植物であれば日光は入りやすくなりますが、常緑タイプの植物だと葉っぱで日光が遮られてしまいます。

日差しを気にしないのであれば、常緑タイプを植えて一年を通して緑のカーテンを維持しても問題ないでしょう。冬は部屋に日差しを取り入れたいのであれば、冬に枯れるタイプの植物を植えるか、日差しを取り入れたい部屋の前には緑のカーテンを作らない方がよいかもしれません。

死角ができてしまう(防犯面での不安)

外壁を植物で覆うと、緑のカーテンと窓の間に死角ができてしまいます。外から見えにくい状況は一長一短で、プライバシー性が高くなるというメリットがある一方、空き巣にとって都合のいい死角になるというデメリットがあるので、注意してください。

緑のカーテンを設置することで死角ができるのであれば、窓ガラスの鍵を二重にする、防犯カメラや人を感知して光るセンサーライトを設置するなどの防犯対策をしておきましょう。「自分の家は狙われないだろう」と油断するのが一番危険ですので、特に空き巣に狙われそうな箇所は防犯対策をされることをおすすめします。

虫が寄ってきやすくなる

植物を育てると虫が寄ってくるのは仕方がないことですが、緑のカーテンは壁面いっぱいに植物を育てることになるので、どうしても虫が寄ってきやすくなります。虫が平気であればそこまで気にされないかと思いますが、虫が苦手だとちょっと辛いですよね。

対策としては、ゴーシャやフウセンカズラなどの害虫がつきにくい植物を選ぶ、捕虫ネットなどを設置するなどです。完全に虫を寄せ付けないようにするのは難しいので、対策をしたとしてもある程度は許容しなければなりません。

虫が苦手でなくても、蜂が寄ってくるのではないかと心配されることも多いことでしょう。蜂は蜜を吸いにやってくるので、花が咲かない植物を選ぶと安心です。

緑のカーテンは楽しみながら続けるのがコツ

緑のカーテンはお手入れが必要なので、楽しさを感じられないと続けるのは難しいです。お手入れを家事と割り切って淡々とこなすのも悪くないですが、せっかくなら楽しみながら緑のカーテンを育てたいですよね。

最初は小さな種から始め、徐々に上へ上へと育っていく。そして、住宅の外壁を覆うほど広がっていき、気づけば住宅の一部になっていた。これが緑のカーテンを育てる楽しみのひとつです。

成長過程を見るのも楽しいですが、成長してから綺麗にお手入れをしてあげて、住宅の外観の見栄えが良くなると、もっと楽しくなってくるでしょう。

おわりに

緑のカーテンには一長一短がありますが、壁面に広く植物を育てるのは楽しいものです。住宅の外観も変わるので、言わばDIYのリフォームのひとつと言ってもいいかもしれません。

壁面緑化に適した植物はたくさんあるので、育てやすさや開花の有無など、比較してどの種類がいいのかじっくり選んでくださいね。

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