外壁塗装の耐用年数を知れば住宅を長持ちさせられる!塗料ごとの耐用年数の目安と選び方

この記事の監修者

佐伯 明彦 (株式会社ソラ SOLA)

所有資格外壁診断士

外壁施工において構造性能や耐火耐久性能など外壁塗装をお考えの方に対して アドバイスをおこなっております。


外壁塗装は雨の日も風の日も、最表面で住宅を守ってくれています。住宅の耐久性は外壁塗装と大きく関係しているため、塗装の耐用年数を知ることは非常に大事です。

本記事では、住宅を長持ちさせるためにぜひ知ってもらいたい、塗料ごとの耐用年数の目安と選び方について解説します。耐用年数の比較は外壁塗料を選ぶ上で欠かせない要素ですので、この機会にその重要性と選び方を知っていただければと思います。

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外壁塗装の耐用年数とは?

外壁は塗装が施されていない部分を素地(そじ)と呼びます。下地(したじ)は塗装前の塗装面のことです。

では、外壁塗装の耐用年数とはどの部分を指すのでしょうか?

外壁塗装の耐用年数は、塗料の「塗膜」の耐久性を指します。塗膜は塗料を塗った時にできる膜のことです。塗装をしたばかりの液体状態は塗膜とは言わず、乾燥した後に硬化した状態が塗膜になります。

塗膜は外壁を保護する役割を担っているのですが、塗膜が保護機能を維持していられる年数=耐用年数であると考えてください。塗膜は経年劣化していくため、耐用年数が過ぎる前に塗り替えが必要となります。

外壁塗装が劣化していく原因

外壁は常に風雨や太陽光にさらされているため、どんどん劣化していきます。もちろん塗膜も劣化していくわけですが、その原因はさまざまです。

風雨による劣化

塗膜は酸性雨を浴び続けることで劣化していきます。酸性雨は一日二日程度では大きな影響はありませんが、塗膜を徐々に侵食して劣化させてしまうので怖い減少です。

紫外線による劣化

紫外線は人間の肌だけでなく塗膜にもダメージを与えているのをご存知でしょうか? 紫外線は非常に強いエネルギーを持っているわけですが、常に太陽光に照射されている外壁の塗膜は紫外線のダメージをもろに受けています。

経年劣化

塗膜は年数を経るほど劣化していきます。塗料によって耐用年数が異なりますが、どの塗料であっても塗膜の劣化は避けられません。劣化が進むと保護機能が落ち、変色によって外観の見栄えが悪くなってしまいます。

施工時の気温・湿度

外壁塗装は「気温5度以下、湿度85%以上」の日は施工を避けるのが基本です。塗膜は気温が低い日、または湿度が高い日は乾きが悪くなるため、塗装を行うなら春と秋が適しているとされています。

仮に雨天時に塗装を行った場合、塗膜剥離やひび割れといった不具合が起こる可能性が高くなります。それはすなわち塗装の耐久性が低くなるということです。

外壁塗装は耐用年数を過ぎると、どうなるか?

外壁塗装は風雨や紫外線によって劣化していくわけですが、では外壁塗装の耐用年数を過ぎるとどうなるのでしょうか?

外壁塗装が耐用年数を過ぎると塗膜に剥離やひび割れといった劣化症状が現れやすくなり、外壁の素地(外壁材)を保護できなくなってきます。塗膜の保護機能が落ちると外壁材が風雨や紫外線から直接ダメージを受けてしまうため、外壁材自体が劣化してしまうのです。

外壁材が傷むと、今度は住宅自体が劣化してしまいます。外壁は風雨から守る重要な役割を担っていますが、外壁にひび割れが起こると雨水が染み込んで雨漏りが起き、それが原因で耐久性が低下すると地震で受けるダメージも大きくなりかねません。

外壁材にも耐用年数がありますが、塗装の耐用年数を過ぎても塗り直しをしない場合、外壁材が早く劣化して予定よりも早く修繕しなければならなくなるでしょう。

つまり塗膜は住宅の耐久性を維持するために必要不可欠な存在で、塗膜が外壁材を保護することで住宅は耐久性を維持できているのです。

人間の肌でたとえると、真夏に日焼け止めを塗らずに一日中炎天下の中にいると紫外線でひどい日焼けをしてしまいますよね。外壁も同じで、塗装がない状態で紫外線にさらしていると外壁材が傷むのは当然です。

塗装の塗替えで修繕費用を抑える

では、次は塗り替えと外壁修繕の費用を比べて考えてみましょう。

塗膜の劣化であれば塗装を塗り直すことで保護機能を復活させられますが、外壁の素地が傷んでしまうと外壁自体を修繕しなければならなくなります。塗り替えだけであればそれほど費用は高くなりませんが、外壁の修繕となるとかなり費用が高くなってしまうでしょう。

外壁塗装の塗り替えと外壁材の修繕では費用が全然違います。費用面を考えれば塗装の段階でメンテナンスを済ませられるに越したことはありません。

外壁塗装の劣化症状

外壁塗装の劣化症状には段階があります。最も軽微な症状は塗膜の汚れですが、劣化が進むとひび割れが起こってきます。

塗膜の汚れ

外壁塗装の汚れは住宅の外観を悪くするだけでなく、劣化につながる場合があります。軽微な汚れであれば洗浄で落とすことができますが、汚れが染み付いているとDIYで落とすのは難しいかもしれません。

変色

塗膜は経年劣化で徐々に変色や退色していきます。外壁塗装が変色すると住宅外観の見栄えが悪くなるだけではなく、塗装の劣化のサインとなるので注意しなければなりません。

チョーキング

チョーキングは白亜化とも呼ばれる現象で、塗装の表面に白い粉状の汚れが付着した状態です。外壁を手で触った時、手に白い粉のようなものが付いたらチョーキング現状が起こっています。

チョーキングは塗料に含まれる顔料が劣化しておこる現象です。外壁にチョーキングがみられたら劣化が始まっていると考えたほうがでしょうでしょう。

藻・カビの繁殖

外壁に緑色の部分がある場合は藻が繁殖している、黒く汚れている部分は黒カビが繁殖している恐れがあります。藻・カビは放置していると塗膜を劣化させてしまいますが、DIYの洗浄では落ちにくい厄介な存在です。藻・カビが発生した場合は業者に洗浄を依頼するか塗装を塗り直したほうがよいでしょう。

ひび割れ(ヘアークラック)

幅0.3mm以下、深さ4mm以下の軽度のひび割れは「ヘアークラック」と呼ばれ、主に塗膜のひび割れを指します。ヘアークラックは小さなひび割れですが、放置しておくと大きなひび割れに発展しかねません。

塗膜にひび割れが起こると外壁材に雨水が侵入してしまうため、塗装にひび割れが見られたら早めに塗り直しをしておきましょう。

剥がれ

塗装の劣化の最終警告とも言えるのが剥がれです。塗膜が剥がれてしまっている場合、もはや外壁材を保護する機能はほぼ失われると考えた方がよいでしょう。

塗装の剥がれが起きてしまうともう早急に塗り替えをしなければなりません。剥がれの状態を放置すると外壁材がどんどん傷み、修繕費が高くついてしまいます。

外壁塗料ごとの耐用年数の目安

外壁塗料は種類によって耐用年数が異なります。

アクリル塗料

4〜7年

ウレタン塗料

6〜10年

シリコン塗料

8〜15年

フッ素塗料

15〜20年

光触媒塗料

15〜20年

耐用年数はあくまでも目安で、メーカーや種類によって差があります。また、外壁の環境や塗装の質によっても耐用年数が変わってくるため、最長年数よりも前に塗り替えのサイクルが来ると考えておいてください。

どの塗料にも言えることですが、丁寧にメンテナンスをすれば長持ちします。最長の耐用年数までもたせるにはメンテナンスは欠かせません。

現在主流となっているのはシリコン塗料です。価格の割に耐久性が高いため、コストパフォーマンスに優れた塗料として多くの住宅に使われています。

耐用年数から考える外壁塗料の選び方

上述したように外壁塗料は種類によって耐用年数が異なります。耐用年数が長い種類ほど価格が高くなるため、耐用年数と価格の両方で考えてみましょう。

単純に塗装を長持ちさせたいなら耐用年数の長いフッ素塗料や光触媒塗料を選べばいいわけですが、価格が高くなります。長持ちする塗料は塗り替えのサイクルが伸びるため、きちんとメンテナンスをした上で長く使えるのであればそれほど割高にはならないでしょう。

対してアクリル塗料やウレタン塗料といったグレードの低い塗料は、価格の安いのが一番のメリットです。グレードの高い塗料と比べると費用面で大きな差が出るため、コストを抑えることを重視したい方に向いています。

しかし、グレードの低い塗料は耐用年数が低いため、塗り替えのサイクルが早くなります。仮に50年という長いスパンで考えた時、安い塗料と高い塗料のどちらがコストを抑えられるのかは判断が難しいところです。

シリコン塗料の価格は5つの塗料の中では中間に位置しますが、価格の割に耐用年数が長いため現在の外壁塗装の主流になっています。以前はウレタン塗料がコストパフォーマンスに優れた塗料として広く使われていましたが、シリコン塗料が普及してからその評価は取って代わられている状況です。

コストと耐用年数の考えた時、両方に優れているシリコン塗料を選ぶのが無難と言えるでしょう。

ただし、シリコン塗料はシリコンの含有量に規定がないため、シリコン樹脂が少量しか入っていない質の低いものもあります。良心的な外壁塗装業者であればそのような低品質なシリコン塗料は使いませんが、中には質の悪いシリコン塗料を使う業者もあるので注意してください。

また、外壁塗装業者の腕によって塗装の耐用年数が変わるため、信頼できる業者に依頼するのが一番です。同じ塗料を使っても職人の腕が良いのと悪いのとでは耐用年数に差が生じるので、価格だけで選ばず業者の信頼性も加味して選んでいただければと思います。

おわりに

外壁塗装は劣化が深刻化する前に塗り替える必要があります。ひび割れが起きてしまうと外壁材がすでに傷んでいる可能性があるため、定期的にメンテナンスをして外壁をしっかり保護しましょう。

本文中でも解説したように、外壁塗料はコストだけでなく耐用年数との兼ね合いがあるため、将来の塗り替えのことも考えた上でお選びいただければと思います。

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