外壁塗装にウレタン塗料を使うメリット・デメリット、コストを抑えた塗り替えに最適な塗料

この記事の監修者

佐伯 明彦 (株式会社ソラ SOLA)

所有資格外壁診断士

外壁施工において構造性能や耐火耐久性能など外壁塗装をお考えの方に対して アドバイスをおこなっております。


ウレタン塗料はシリコン塗料と比べると価格が安いため、コストを抑えた塗り替えに向いています。では、ウレタン塗料とは一体どのような特徴を持つ塗料なのでしょうか?

本記事ではウレタン塗料の特徴を解説した上で、外壁塗装にウレタン塗料を使うメリット・デメリットを分かりやすくまとめました。塗料選びで後悔しないために、ウレタン塗料の特徴を理解した上で採用するか決めていただければと思います。

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ウレタン塗装とは?

ウレタン塗装は、ウレタン樹脂を主成分とする塗料です。ウレタン樹脂は「ポリウレタン」の別称で、他には「ウレタンゴム」とも呼ばれます。

ウレタン樹脂(ポリウレタン)は、ポリオール成分の水酸基とイソシアネート成分のイソシアネート基が化学反応を起こすことで生成される合成樹脂です。

ウレタン樹脂を大別すると、発泡剤を加えた「フォーム系」と発泡させない「非フォーム系」の2種類があります。フォーム系は「ポリウレタンフォーム」や「ウレタンフォーム」と呼ばれていて、さまざまな用途で活躍している素材です。

フォーム系は「軟質」「半硬質」「硬質」と硬度を変えることで多彩な用途に使用することができます。

フォーム系

【軟質ウレタンフォーム】
自動車のシート、自転車のサドル、マットレスなど

【半硬質ウレタンフォーム】
主に衝撃吸収材として使われる

【硬質ウレタンフォーム】
住宅の断熱材などに使われる

一方、発泡させない非フォーム系のウレタンは、以下の用途で使用されます。

非フォーム系

塗料、合成皮革、接着剤、防水材、エラストマー、弾性繊維など

このように、同じウレタンでも発泡させるかさせないかで用途が異なります。塗料の場合は発泡させない非フォーム系です。

ウレタン塗料の種類

塗料には「溶剤塗料(油性塗料)」と「水性塗料」があり、そこからさらに「1液型」と「2液型」に分かれます。

1液型

塗料缶は1つで、材料を混ぜることなく使うことができるのが1液型の特徴です。水やシンナーを混ぜて塗料として使用します。

1液型のメリットは、2液型と比べて価格が安い、材料を混ぜる手間がかからない、余っても翌日に使用できるといった点です。

1液型のデメリットは、2液型と比べると耐久性が劣る、塗装可能な範囲が限られる点で、すでに硬化剤が配合されているため混合前は保管に気を遣わなければなりません。

2液型

塗料缶は2つあり、塗料と硬化剤に分かれているのが2液型の特徴です。塗装前に材料を混ぜる必要があり、塗料として使う際はそこからさらに水やシンナーを混ぜて薄めます。

2液型のメリットは、1液型と比べて耐久性が高い、1液型と比べて塗装可能な範囲が広い、混合前は保管がしやすいといった点です。

2液型のデメリットは、1液型と比べて価格が高い、混ぜる手間がかかる点で、混ぜ始めた瞬間から固まり始めてしまうため混ぜた後はすぐに使わなければなりません。

ウレタン塗料も1液型と2液型で上記のような違いがあります。1液型の方がコストは安くつきますが、耐久性が低いため塗り直しのサイクルが早くなってしまうため、コストだけで判断せず費用対効果も考慮しておかなければなりません。

DIYで塗装をするなら、撹拌の必要がない1液型の方が使いやすいでしょう。なぜなら、2液型はただ混ぜればいいというわけではなく、決められた混合比率に従って撹拌しなければならないため、塗料の知識がないと正しく扱うのが難しいからです。

また、2液型は混ぜた後の保管はできないため、その日のうちに使い切らないと無駄になってしまいます。1液型は開封前の保管に注意しなければなりませんが、開封後は翌日に持ち越して使えるため、DIYで使うなら1液型がおすすめです。

ウレタン塗料のメリット

ウレタン塗料には以下のようなメリットがあります。

密着性に優れている

ウレタンは他の塗料に比べて塗膜が柔らかいため、密着性に優れています。経年劣化によって変形してしまった木部は塗装が難しいですが、密着性の高いウレタンは柔軟に塗装できるため、DIYでも扱いやすいです。

弾性に富んでいる

ウレタンは弾性に富んでいるため伸縮性が高く、ひび割れがしにくいという特徴があります。ウレタンは乾いた塗膜も柔軟性を維持できるため、地震で住宅が揺れてもひび割れが起きにくいです。

メンテナンスがしやすい

ウレタン塗料は表面を樹脂で覆うことにより、外壁を傷つきにくくしてくれます。弾性によってひび割れも起こりにくいため、比較的メンテナンスの手間がかかりません。

光沢により高級感が出る

ウレタンは光沢があるため、塗装することで高級感が出ます。反対に光沢感を出さないつや消しには向いていません。

種類が豊富にある

ウレタン塗料は多くのメーカーが生産しており種類が豊富です。油性か水性か、1液型か2液型かといった違いだけでなく、耐候性、透湿性、防カビといった付加機能のあるものや、色の種類も多いので好みや条件に合わせて選ぶことができます。

他の塗料に比べると価格が安い

ウレタン塗料は、シリコン塗料やフッ素塗料といった他の塗料に比べると価格が安いです。シリコン塗料の平米単価の相場が2,500~3,500円であるのに対し、ウレタン塗料は1,800~2,000円となっているため、コストを抑えられます。

1液型か2液型かによって単価は変動しますが、全体的にコストパフォーマンスに優れている塗料です。

ウレタン塗料のデメリット

ウレタン塗料には以下のようなデメリットがあります。

耐用年数が短め

ウレタン塗料の耐用年数は6〜10年です。アクリル塗料の耐用年数が4~7年なのでそれよりは長いですが、シリコン塗料が8~15年、フッ素塗料が15~20年なので決して長いとは言えません。

ただ、ウレタン塗料はシリコン塗料やフッ素塗料と比べて価格が安いですし、10年を目安に塗り替えをするならコスト的に魅力のある塗料です。ウレタン塗料は色の種類が豊富なので、塗り替えのついでに住宅の外観をイメージチェンジするのもいいかもしれませんね。

紫外線に弱く変色しやすい

ウレタン塗料は紫外線の耐性が低いため、経年によって変色しやすいというデメリットがあります。シリコン塗料と比べると紫外線による変色が進みやすく、黄色く変色してしまうため、耐用年数の10年に近づくほどどんどん住宅の外観が古く感じてしまうかもしれません。

ウレタン塗料は光沢によって高級感が出ますが、紫外線によって変色がしやすく、シリコン塗料と比べると光沢保持率が低いため、時間が経つほど外観が古びてしまいます。

防汚性が低い

ウレタン塗料は防汚性が低いため、汚れがつきやすいです。汚れは洗い落とせば綺麗になりますが、外壁を掃除をするのが面倒くさいという方には向いていません。

水と反応しやすい

ウレタン塗料は水と反応しやすい性質があり、湿度が高い時に塗装を行った場合、水分と結合して塗膜性能が落ちてしまうことがあります。湿度が高い日に塗装を行うと塗膜が剥がれやすくなったり、塗装がまだらになって見栄えが悪くなったりするため、雨の日や湿気の多い日は避けたほうが良いでしょう。

ただ、湿度が高い時に塗装すると塗膜性能が落ちてしまうのはウレタン塗料に限ったことではありません。DIYで外壁塗装をする場合は雨の日は避けたるのが無難です。

ウレタン塗料が向いているケース


ウレタン塗料はシリコン塗料と比べると耐久性が落ちるため塗り直しのサイクルが早くなりますが、価格が安いためコストを抑えたい方に向いています。
外壁塗装は住宅の耐久性に影響するため長持ちする塗料を塗るのがベストですが、予算が厳しい場合はコストの安いウレタン塗料を採用し、次の塗り直しの時にシリコン塗料を使うというのもひとつの考え方です。

ウレタン塗料の耐久性が心配という方は、外壁の主要な部分にはシリコン塗料やフッ素塗料を使い、雨どいや戸袋といった付帯部分にウレタン塗料を使ってコストを抑えるという方法もあります。今はシリコン塗料が主流となっていますが、コスト節約のために付帯部分のみウレタン塗料を使うのもアリです。

ただし、異なる塗料を併用する場合、部位によって耐用年数が変わってしまう点に注意してください。外壁塗装にシリコン塗料を、付帯部分にウレタン塗料を使った場合、付帯部分の方が先に塗り替えの時期が来るため塗り替えが二度手間になってしまいます。

ウレタン塗料を使うなら、外壁も付帯部分も両方に採用したほうがよいでしょう。その方が塗り替えの手間が一度で住みますし、付帯部分で節約するといってもそれほど大きな節約にはならないため、それなら耐用年数が下がっても外壁塗装ごとコストの安いウレタン塗料を採用した方が無難です。

ウレタン塗料の耐用年数の目安は6〜10年ですが、塗装の質や環境によって劣化の速度は変わってきます。塗料の劣化を放置しておくと外壁の素地が傷んでしまうため、汚れや変色が目立ってきたら早めにメンテナンスをしておきましょう。

おわりに

塗料としての人気はシリコン塗料に押されていますが、ウレタン塗料はコストが安く種類も豊富であるため、塗装費を抑えたい方や好みの色で外壁を塗り替えたい方に需要があります。メリットだけでなくデメリットもあるため、ウレタン塗料がどのような性能を持つ塗料であるのかを理解した上で、シリコン塗料やフッ素塗料などの他の塗料と比較検討してください。

ウレタン塗料に限らず外壁塗装は定期的な塗り替えが必要ですので、10年を目安にメンテナンスと塗り替えをしておきましょう。

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